大和証券、日興証券、野村證券を渡り歩いた原田茂行氏は、「証券会社を信用してはいけない」と明言しています。背景に潜む悲劇とは一体? 本連載では、『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋。過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や、投資に失敗する人の共通点、銘柄データのチェックポイントまで、「暴露話に近い」ノウハウを解説していきます。

「失敗しろ失敗しろ」過酷すぎるサバイバルレース

■出世する人、辞める人、しがみつく人

 

私が入社した大和証券では当時、入社5年目までが肩書きのないいわゆる平社員で、6年目から主任、9年目で課長代理となり、11年目あたりで課長になるのが順当な出世コースでした。

 

しかし結果が出せなければ、つまりお客さまを獲得して商品を販売しノルマを達成することができなければ、この出世街道は断たれてしまいます。周りよりも結果を出せるよう、追いつけ追い越せと、営業員たちの間では常日頃から過酷なサバイバルレースが展開されていました。現在の大和証券がどうかは知りませんが、当時の社内ではいい取引をした社員に対し、周りが「ハッスルー」と声を掛けます。

 

しかしその実、全員が出世サバイバルレースのライバルですから、ハッスルしても取引をした社員以外は何もいいことはないので、心の中では「失敗しろ失敗しろ」としか念じていなかった人間も多かったのではないかと思います。

 

同期のなかには入社間もなく1億円以上の株を買ってくれる大口顧客を開拓した人もいました。入社間もなくハッスルを成し遂げた彼は、その顧客獲得以降は鳴かず飛ばず、3年目には別の支社へ飛ばされ、その後は管理部門へ異動となりました。それは出世レースから脱落したことを意味しています。

 

このように営業課は完全な成果主義。成績が振るわなければ、同僚たちの前で上司に罵倒され、会社を辞めるまで虐められ続ける課員も私は見てきました。

 

怒鳴る側の上司にも、ノルマは上から課されているわけで、達成できなければレースから落ちこぼれてしまいます。部下の尻を必死に叩かなければ、生き残ることができなかったのです。

 

みんな辞めていきました
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