コロナ感染拡大第2波が懸念される今、再度緊急事態宣言が発令されてしまえば、ようやく再開しつつある様々な経済活動がまたも停滞してしまう。特に「住宅ローン破綻」の問題は深刻だ。 ※この記事は、烏丸リアルマネジメント株式会社代表取締役・矢田倫基の書籍『住宅ローンが払えなくなったら読む本』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

熟年離婚して「ローン破綻」に至った男の末路

3000万円の住宅ローンを利用して、月額8.5万円を支払うつもりだったのに、月額2.5万円の管理費・修繕積立金が課されると、4000万円のローンを返済するのとほぼ同じ負担額になってしまいます。

 

◆「突然の離婚」がローン返済を直撃する

 

厚生労働省が発表している資料を見ると、2015年の離婚件数は22万5000組となっています。

 

離婚および離婚率は1960年代から2002年までほぼ一貫して増加してきました。特に離婚率は1970年には10.1%だったのが2015年には35.4%にまで上昇しています。1970年には10組に1組だったのが、2015年には3組に1組が離婚しているのです。

 

離婚件数は2002年の29万件をピークに減少傾向が続いていますが、結婚の件数も減少しているため、離婚率はほぼ横ばいとなっています。3組に1組という高い割合で「高止まりしている」というのが正しい見方でしょう。

 

特に最近の傾向として「熟年離婚」の増加が指摘されています。25~34歳の離婚率が低下しているのに対し、35~55歳の層では離婚率が上昇しており、住宅ローンを支払っている真っ最中といえる世代の離婚に歯止めがかからない状態です。

 

離婚時にはお金のことが大きな問題になります。財産分与するにあたっても、マイホームを持っている世帯では最大の財産は家の場合が多いので、お互いが納得するように分けるのは困難です。売却して分けようにも残債が多い状態では、売却代金がローン返済に消えてしまいなにも残りません。家をなくした上、借金だけが残るケースも多いため、結局は売らずに「母子が住み続ける」などの選択をすることになります。

 

マイホームに住み続ける母子に対し、夫の側は慰謝料や養育費などの負担に加え、自身の住まいを確保し、生活していくためのお金も必要です。ギリギリだった住宅ローンの支払いができなくなり、破綻にいたるケースが後を絶たないのです。

 

共働きの場合には返済原資となっていた収入が大幅に減ってしまうという問題も発生します。共働き世帯では一般的に、夫婦2人分の収入をもとにローンの支払額を設定しているため、収入が1人分になってしまうと返済は非常に難しくなります。

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本記事は、書籍『住宅ローンが払えなくなったら読む本』(幻冬舎MC)の一部抜粋、及び再編集したものです。最新の情報には対応していない場合もございますので、予めご了承ください。

住宅ローンが払えなくなったら読む本

住宅ローンが払えなくなったら読む本

著者 矢田 倫基   監修 矢田 明日香

幻冬舎メディアコンサルティング

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