コロナ拡大第2波が懸念される現在。活動自粛を再び要請されるのではないかと、戦々恐々としている人も多いことだろう。「企業の在り方」そのものが変革している今こそ、自身の携わるビジネスの根幹を見直してみよう。本記事では、株式会社ビジネス・ブレークスルー執行役員・高松康平氏の書籍『筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」』(朝日新聞出版)より一部を抜粋し、解説する。

【分析とは】全体像を捉えるばかりでは何も解決しない

◆問題解決は、分けることから始まる

 

問題解決の最初のステップは、まずは現状分析することから始まります。現象を細分化していき、何が起きているのか理解していきます。とにかく最初は丁寧に分けます。そこで、ステップ1では、なぜ、分けるのか、そして、どのように分けるとよいのかを学んでいきます。

 

問題解決で何が一番大切かと言われると、きちんと分けること。そういっても過言ではありません。きちんと分けることができれば、あとはとても楽になります。分けることで実態が明らかになります。分析という単語にも「分ける」という字が入っているように、物事の実態を知るために分けることが大切なのです。

 

皆さんの目の前にある事象は、複雑に絡みあっています。いろいろなことが混じって存在しているので、その混ざったものをそのまま扱ってしまうと、実態を正しく捉えることができず、真実を正しく見ることができなくなるかもしれません。混ざったものの中には、問題がある部分もあれば、全く問題のない部分も含まれています。それらをすべて問題として、取り扱ってしまうと検討の精度は落ちてしまいます。

 

◆問題は、まばらに起きない。どこかで集中的に起きている

 

でも、なぜ分けることをお勧めするのでしょうか? それは、ビジネスの経験則に基づいたものなのです。

 

一つの会社の中で扱っている商品・サービスが一つだけというケースは稀であり、ほとんどの会社では、複数の商品・サービスを扱っています。また、多数の支店や部署が存在します。そういった複数の要素が集まって、会社・組織は存在しています。

 

しかし、問題は会社・組織の中で均等に起きているのではなく、どこか一か所に集中して起きていることが多いでしょう。

 

これまでのビジネスのいろいろな問題は、多くがどこかに集中して起きてきました。皆さんの目の前にある問題も、どこかに偏って起きている可能性が高い。問題解決のステップ1では、まずどの部分で問題が起きているかを確認することが効率的です。

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筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」

筋の良い仮説を生む 問題解決の「地図」と「武器」

高松 康平

朝日新聞出版

マッキンゼーで世界最高峰の「考える力」を身につけ、ビジネス・ブレークスルーで「問題解決力トレーニング」を教える著者が、経験がなくても、筋のよい仮説をつくり、問題を解決していくステップと「7つの武器」を伝授。

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