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日の投資家がスウェーデンに直接投資する機会はあまりないでしょう。その意味でスウェーデンの金融政策に対する関心は低いと思われます。ただ、スウェーデン中銀は他の国に比べマイナス金利(再)導入の条件は整っていると思われるため、導入の是非が注目されましたが、結局マイナス金利政策を今回見送りました。
スウェーデン中央銀行:市場予想通り政策金利を据え置き、マイナス金利には戻らず
スウェーデン中央銀行は、2020年7月1日に政策金利を市場予想通り0%に据え置くと発表しました(図表1参照)。
また、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響を緩和するため、資産購入枠を従来の3000億クローナから5000億クローナ(536億3000万ドル)に拡大、買入れ期間も21年6月末までに延長しました(図表2参照)。
どこに注目すべきか:社債購入、マイナス金利政策、クローナ
日本の投資家がスウェーデンに直接投資する機会はあまりないでしょう。その意味でスウェーデンの金融政策に対する関心は低いと思われます。ただ、スウェーデン中銀は他の国に比べマイナス金利(再)導入の条件は整っていると思われるため、導入の是非が注目されましたが、結局マイナス金利政策を今回見送りました。
まず、今回のスウェーデン中銀の金融政策を簡単に振り返ります。市場の評価は、為替市場が落ち着いていたことを考慮すればトータルで中立的と判断したと見られます。
ただ、内容を見ると、スウェーデン中銀は量的金融緩和を通じて市場の予想以上に金融緩和姿勢を示しました。たとえば、資産買入れ額規模の5000億クローナは市場予想の範囲(4000~5000億クローナ)の上限です。また、これまで資産購入は国債、住宅ローン担保証券、コマーシャルペーパー(CP)、地方債に限っていましたが、9月からは社債を購入対象とすることも表明しています。
スウェーデン中銀の金融政策レポートを見ると、23年までゼロ金利政策を続ける予想が示されています。米連邦準備制度理事会(FRB)が22年末までゼロ金利政策を示唆しているのに比べても金融緩和に積極的な印象です。
しかし、一方で政策金利については、効果的であると考えられればレポ金利を引き下げることも可能と説明するも、マイナス金利の導入は見送られ、緩和姿勢が中和されました。