年内解散・総選挙の蓋然性

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安倍晋三首相は、憲法改正を争点に年内に衆議院を解散、総選挙を行う可能性がある。新型コロナウイルス感染第2波のリスク、米国大統領選挙への不透明感から、9月に内閣改造・自民党役員人事を終え、臨時国会冒頭で解散、10月に総選挙を行うシナリオもあり得るだろう。米国大統領選挙も含め、今秋は政治が経済・市場に大きな影響を与えそうだ。

衆議院解散:「鉄則」では今年10月までがメド

1955年11月15日の自民党結党以来、21回の総選挙のうち、任期満了は1回、内閣不信任案成立によるものは4回に留まる。残り16回は「憲法7条解散」、即ち天皇の国事行為だ。天皇の国事行為は内閣の助言と承認によって行われ、内閣を構成する全閣僚の任免権を内閣総理大臣が有するため、解散権は実質的に時の内閣総理大臣の専管事項として解釈されてきた。

 

この21回の総選挙において、前回からの間隔が3年以内に行われたのは10回だが、うち9回で解散時の与党が過半数を維持している(図表1)。一方、3年超のインターバルで実施された11回は、8回で解散時与党の獲得議席が過半数割れした。つまり、内閣総理大臣は、前回の総選挙から3年以内に与党にとり好ましい状況を作り、国民に信を問うことが政権維持の鉄則と言えよう。

 

[図表1]総選挙の間隔と解散時与党の議席獲得率

 

前回の総選挙が2017年10月なので、2020年10月がこの鉄則上のタイムリミットに他ならない。安倍首相は、政権奪還に成功した2012年12月の総選挙から2年が経過した2014年12月、さらに2年10ヵ月目の2017年10月に総選挙を実施、いずれも自民党が60%を超える議席獲得率で圧勝した。この例から見て、今回も3年の鉄則を強く意識、秋に解散・総選挙を行う可能性が十分にあるのではないか。

2020年度:大幅なマイナスの下駄を履く可能性

6月17日に閉会した通常国会は、新型コロナウイルス問題に加え、検察庁人事を巡る疑惑などがあり、安倍政権にとって厳しいものだった。NHKの世論調査で昨年末に45%だった内閣支持率は、6月、36%へ低下している。ただ、政党支持率では、自民党が突出していることに変化はない(図表2)。

 

期間:2020年4月〜6月 出所:NHKの調査よりピクテ投信投資顧問が作成
[図表2]世論調査:主要政党支持率 期間:2020年4月〜6月
出所:NHKの調査よりピクテ投信投資顧問が作成

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『年内解散・総選挙の蓋然性』を参照)。

 

(2020年6月26日)

 

市川 眞一

ピクテ投信投資顧問株式会社 シニア・フェロー

 

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ピクテ投信投資顧問株式会社 シニア・フェロー

日系証券の系列投信会社でファンドマネージャーなどを経て、1994年以降、フランス系、スイス系2つの証券にてストラテジスト。この間、内閣官房構造改革特区評価委員、規制・制度改革推進委員会委員、行政刷新会議事業仕分け評価者など公職を多数歴任。
著書に『政策論争のデタラメ』、『中国のジレンマ 日米のリスク』(いずれも新潮社)、『あなたはアベノミクスで幸せになれるか?』(日本経済新聞出版社)など。
2011年6月よりテレビ東京『ワールドビジネスサテライト(WBS)』レギュラー・コメンテーター。

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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