本格的な海外口座活用の場として、やはり真っ先に名前が挙がるのが「香港」。本連載では、4月5日に刊行された『グローバル資産防衛のための「香港銀行口座」活用ガイド』の中から先行して一部を抜粋し、香港で一番「使いやすい」銀行の見極め方をご紹介します。前回に引き続き、2015年、香港に誕生した日本ウエルス銀行(NWB)を例に、香港での銀行口座開設の方法を見ていきます。

まずはホームページから申し込み手続きを開始

① Enter Personal Information(個人情報登録)

必要書類の準備が整ったところで、日本ウエルス銀行(NWB)での具体的な口座開設の手順に移ります。最初のステップは個人情報の登録です。まずはNWBのホームページにアクセスします。日本語版の企業紹介ページもありますが、口座開設の手続きは英語版のホームページでしか行うことができないので注意が必要です。

 

 

ホームページにアクセスしたら、トップページ右下に並んでいるメニューの中から、「Opening Registration Form」をクリックしてください。もしくは、トップページの上部にある横並びの4つのメニューの中から、「About Opening」をクリックし、次に「About Account Opening」に進みます。すると「Personal Information Registration」「Identity Verification conducted by NWB」「Arrange an Appointment」「Procedures for an account opening at our office in Hong Kong」の4項目が表示されるので、「Personal Information Registration」の項目にある「Click here to register your personal Information」をクリックしましょう。これで個人情報の登録フォーム画面に移動します。

 

個人情報登録フォームでの記入項目は次の通りです。(図表1参照)

 

 

こうした個人情報による本人確認は日本よりも厳密で、とりわけ「マネーロンダリング(資金洗浄)規制」などに対しては非常に厳しいものがあります。必須項目にすべて記入したうえで「NEXT」を選択すると、次のステップに進むことができます。

 

② Enter Workplace Information(就業情報登録)

続いては就業情報の登録です。この項目への記載は自由ですが、口座開設をスムーズにするためにもできれば入力しておきましょう。いずれも日本語で、会社のホームページの企業情報などから転記すれば特に問題はありません。

 

③ Answer the Risk Profile Questionnaire(リスク判定アンケート)

3番目の入力画面は、リスク許容度を判定するためのアンケートです。口座開設後に投資できる商品のリスクレベルなどに関わるため、ここでの質問には慎重かつ正確に回答しなければなりません。たとえば、見栄を張って大金持ちに見せようとか、あるいはこれまで投資らしい投資はしたことがないにもかかわらず、投資のベテランのような態度をとるのは避けなければなりません。

 

正確なリスク許容度の判定が行われないと、想定したよりも大きな損失を出してしまった、あるいはもっと利益を獲得したいのに、何年たってもほんのわずかしか儲からない……などということになってしまうかもしれません。では、質問の内容を簡単に紹介しましょう。このアンケートに基づいて、顧客一人ひとりに適した「ポートフォリオ」が提案されることになります。(図表2参照)

 

このアンケートに基づいて、顧客一人ひとりに適した「ポートフォリオ」が提案されることになります。

 

④ Enter Preferred Appointment Dates(香港訪問の期日指定)

リスク許容度の診断まで終わると、実際に香港の店舗を訪問して口座開設の手続きをするアポイントを取ることになります。希望可能な日時は、午前と午後の指定も含めて全部で3パターンです。電話での細かな調整が必要な場合は、電話をもらいたい日時を直接書いて送信することもできます。その他には、オプションでNWBをなぜ知ったのかなどのアンケートがありますが、省略しても構いません。

 

なお、香港までの航空券の手配や、香港での滞在先の予約などもNWBに依頼することが可能です。たとえば、NWBのある「ペニンシュラ・オフィス・タワー」近辺のホテルを予約することもできるので、口座開設手続きだけが目的の場合は、予約まで依頼してしまえば手間がかかりません。

 

⑤ Confirm Detail(詳細の確認)

最後のステップは、入力内容の確認です。この確認作業を終えて送信すれば、あとはNWB側からのコンタクトを待つだけになります。

申込完了後、必要書類を持って香港へ

ホームページからの申し込みが完了した後は、NWBからの連絡を待ち、設定されたアポイントの日時に従って香港へ向かうことになります。実際に香港を訪れる際には、準備しておいた必要書類を忘れないようにしてください。

 

NWBの店舗は、日本の銀行のようにカウンターがあって番号札を取って待機するといったイメージとは全く異なります。まずは窓口に行って、口座開設の手続きに来たことを告げてください。もちろん日本語で応対してもらえるので、分からないことがあればどんどん質問して構いません。

 

アポイントの確認が取れると、応接スペースに案内されます。担当者との面談です。面談といってもそれほど緊張することはありません。持参した必要書類を提出しながら、NWBの担当者からの質問に答えていくだけです。ホームページから送信した登録情報があるので、NWBの担当者も大まかには顧客のことを事前に把握しています。そのためアンケートで答えた部分の再確認が主になるのですが、とりわけ詳しく確認されるのは「資産運用の目的」「資金の出所」「投資経験」「許容できる損失額の範囲」の4項目です。

 

 

ホームページのアンケートで回答済みですが、面談までにはしっかりと自分でも再確認しておきましょう。

 

面談が終われば、現地での手続きはほぼ完了です。香港では現金の授受はありません。日本の銀行のように通帳が手渡されることもありません。口座を開設することでNWBから提供されるものは次の4つです。

●口座番号

●送金の方法(海外送金に必要なSWIFTコードなど)

●連絡方法

●口座開設通知書

本連載は、2016年4月5日刊行の書籍『グローバル資産防衛のための「香港銀行口座」活用ガイド』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載の記載の内容は情報の提供および学習を目的としたものであり、本連載を用いた運用は、必ずご自身の責任と判断によって行ってください。また、本連載の内容に関して運用した結果については、著者および株式会社幻冬舎メディアコンサルティング、合同会社幻冬舎ゴールドオンラインはいかなる責任も負いかねます。また、本書に記載されている情報は2016年4月現在のものであり、今後変更されることがあります。

グローバル資産防衛のための 「香港銀行口座」活用ガイド

グローバル資産防衛のための 「香港銀行口座」活用ガイド

岩崎 博充

幻冬舎メディアコンサルティング

世界有数の金融センター香港の魅力から、現地金融機関の特徴、日本人に最適な銀行での具体的な口座開設手順、さらには購入可能な金融商品と運用のポイントまで海外銀行口座の活用方法を徹底ガイド!

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