個店が残る商店街…だから、チェーン店の浸食が少ない
駅周辺の家賃水準をみていきましょう。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は7.47円(図表1)。同条件の練馬区の家賃水準は、駅10分圏内で6.25万円。「江古田」駅周辺は複数路線が使えるという立地から、区平均よりも高い家賃水準となっています。
厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円です(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、都内勤務30代前半は8.5万円です。
「江古田」駅周辺は、30代会社員であれば検討できる家賃水準です。「学生の街」であるため、実際は20代会社員の適正家賃内も多くの賃貸物件を見つけることができます。実際に大手ポータルサイトで検索すると、20代会社員の適正家賃内、かつ駅チカ10分圏内の単身者用物件を多く見つけることができます。物件は、このエリアの開発が盛んだったころに建てられた築40~50年ほどのものが豊富。一方で建て替えも進んでいて、新築や築3年程度の物件も見つかります。ただし家賃は高めなので、築年数にこだわるのであれば、プラスαの出費を覚悟しておくといいでしょう。
交通面はどうでしょうか。「江古田」から「池袋」は8分。大江戸線「新江古田」を利用すれば「新宿」16分、西武有楽町線「新桜台」を利用すれば「有楽町」35分(所要時間は平日8時に各駅を出発した場合の目安)。「江古田」を利用するのであれば「池袋」での乗り換えが必須ですが、徒歩圏内の他駅も駆使すれば、都心の主要エリアへのアクセスが格段に良くなります。
買い物環境ははどうでしょうか。駅周辺には「まいばすけっと」「マルマンストア」「ビック・エー」がありますが、規模の大きなスーパーはありません。また大手ドラッグストアチェーンも2軒ほどで、駅の規模から考えると、スーパーやドラッグストアの数は少なめです。しかしそれ以上に商店街が充実していて、最寄り品の購入で困ることはありません。
飲食店はどうでしょうか。駅周辺にはファストフード店や牛丼店といった、お馴染みのチェーン店はあるものの、なぜかファミレスチェーンはありません。一番近いファミレスは「新江古田」駅の近くにあります。一方で学生をターゲットとした個店は多く、価格もリーズナブル。お気に入りの店が見つかれば、安くお腹を満たすこともできます。
3路線が使える、交通至便な「江古田」駅周辺。個店の力が強いエリアで、馴染みのチェーン店の浸食がそこまで進んでいない地域です。そのため利用するのはチェーン店ばかりという人にとっては、少々不便に感じるシーンもあるかもしれません。しかし学生をターゲットにした店が多いため、どこもリーズナブル。お決まりの店さえ決まってしまえば、安く、快適な暮らしが送れるはずです。
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