世界経済回復はW型?

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ヘッドライン4月15日号『深刻な景気後退を示したIMFの世界経済予想』で、国際通貨基金(IMF)が20年の世界経済見通しをマイナス3.0%と見込んでいるとお伝えしました。IMFは新たな見通しを6月24日に公表予定です。数字については公表を待つしかありませんが、4月時点でメインとしていたシナリオより、経済成長については悪化を見込む必要がありそうです。

IMF世界経済見通し:4月に公表した成長率の予想を下方修正する可能性を示唆

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、2020年6月13日の「イタリア、欧州、グローバル経済の21年の回復」と題した講演で、20年の世界経済見通し(-3.0%)を下方修正することになるとの予想を示しました(図表1参照)。

 

出所:IMF、OECDのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表1]MFの20年4月の世界経済見通しの主な前提 出所:IMF、OECDのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

なお、IMFのチーフエコノミストのギータ・ゴピナート氏は、6月24日公表予定の世界経済見通しについて、深い不確実性があるとしながら、4月時点よりも下方修正される可能性が高いことを既に示唆しています。

どこに注目すべきか:世界経済見通し、IMF、OECD、収束、第2波

今日のヘッドライン4月15日号で、IMFが20年の世界経済見通しをマイナス3.0%と見込んでいるとお伝えしました。IMFは新たな見通しを6月24日に公表予定です。数字については公表を待つしかありませんが、4月時点でメインとしていたシナリオより、経済成長率については悪化を見込む必要がありそうです。

 

もっとも、最近公表された世界銀行や経済協力開発機構(OECD)など、他の世界機関の世界経済見通しはIMFの4月時点の予想より悲観的でした。たとえばOECDは年内に感染再拡大を想定したケースでは20年世界経済成長率をマイナス7,6%と予想しています(図表2参照)。

 

時点:2020年6月予想、予想時期は19年~22年、19年10-12月期=100 出所:IMF、OECDのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表2]OECDのシナリオ別世界経済予想の推移 時点:2020年6月予想、予想時期は19年~22年、19年10-12月期=100
出所:IMF、OECDのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

まず、4月のIMFの世界経済予想の骨格を簡単に振り返ります。IMFはメインシナリオと、3つのリスクシナリオを策定していました(図表1参照)。メインシナリオでは4-6月期に最悪期を迎え、年後半は感染拡大も収束するといった前提で、20年の世界経済成長率がマイナス3.0%と予想されています。感染長期化や感染第2波の拡大はリスクシナリオとして用意されていたという位置づけと見られます。

 

次に、6月(10日)に公表されたOECDの世界経済見通しを見ると、OECDは①年内に感染が再拡大、②感染はこのまま収束に向かうという2つのシナリオを示しました。②の収束シナリオでは20年の世界経済成長率をマイナス6.0%と見込み、①の年内の感染再拡大ではマイナス7.6%に悪化すると見込んでいます。なお、OECDは①と②のシナリオはどちらも同じ程度の可能性を想定しています。

 

なお、4月のIMFと6月のOECDという、前提条件が異なる予想の結果を比較していいとか、悪いという短絡的な評価はそぐわないと思います。新型コロナウイルスによる不確定要因が多い中では、(IMFが行うように)、新たな情報に対して柔軟に予想の見直しを進める必要があると思います。

 

そうした中で、再びOECDの成長率予想の前提条件に注目すると、第2波のシナリオを組み込む必要性が以前より高まっているとも考えられそうです。その場合、V字型よりはW字型の回復軌道がイメージされていると見られます(図表2参照)。来週公表予定のIMFの予想では想定するシナリオに注目しています。一方、市場では政策支援を背景に経済とかい離したような動きも見られます。W字型を想定してないのか、それともVであれ、Wであれ先々回復するという強気の表れなのか? 市場にも迷いが出始めたような印象です。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『世界経済回復はW型?』を参照)。

 

(2020年6月15日)

 

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

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ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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