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6月11日のNYダウは終値で前日比6.9%安の$25,128.17をつけた。NYダウ暴落を招いた要因としては、①パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の慎重な景気見通しや、②一部の州における新型コロナの感染拡大第2波への警戒感に加えて、③市場参加者の「心理状態」による影響が挙げられ、特に③の要因が今回の暴落を助長させた可能性が高い。
これまでの株価上昇は「期待先行型」
全米50州で経済活動が徐々に再開される中、予想外の回復を見せた5月米雇用統計をきっかけにNYダウはV字回復の様相を呈していた。この大きな起爆剤となったのがFRBによる大規模で迅速な金融緩和政策だ。実際、FRBの総資産は量的緩和策によって3月18日時点の約4.7兆ドルから6月10日時点の約7.2兆ドルまでおよそ2.5兆ドル増加した。企業業績や景気の見通しが依然として不透明な中での株価反発は「期待先行型」、つまりファンダメンタルズの回復を待たず見切り発車的に織り込みに行く相場だったと言えよう。
市場参加者は「悲観」から「楽観」へ大きくシフトしていた
市場参加者の心理状態は6月11日の急落前に「悲観」から「楽観」へ大きくシフトしていたと考えられる。その背景となったのが市場予想を上回る経済指標の発表だ。米国経済サプライズ指数は市場予想を上回る経済指標が発表されると上昇し、反対に市場予想を下回る経済指標が発表されると低下する指数だ。コロナショックを受けて市場予想が過度に悲観的になった結果、直近発表された経済指標は逆に市場予想を上回るケースが相次いだことがこの指数から確認できる。このため、市場参加者は過度に楽観的になっていた可能性がある。
また、CBOE(シカゴ・オプション取引所)が算出する株式のプット・コール・レシオも注目に値する。この指数が上昇すると弱気の投資家が多いことを示し、反対に低下すると強気の投資家が多いことを示す。そのブット・コール・レシオは6月8日時点で0.37と過去10年で見ても極端に低下した水準にあったことから、強気の投資家が相当増えていたことが窺える(6月11日は0.70へ上昇)。
このような楽観ムードが支配的になっていた中で、6月FOMC(米連邦公開市場委員会)後の会見でパウエルFRB議長は雇用回復まで数年かかるとの慎重な見通しを示し、さらに、テキサス州やフロリダ州などで新型コロナの新規感染者数が拡大したことから「第2波」への警戒感が高まったというわけだ。当面は行き過ぎた楽観ムードからの反動が想定される。

FRB総資産:週次、期間:2010年5月31日~2020年6月10日
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ投信投資顧問作成

※米国経済サプライズ指数はシティエコノミックサプライズ指数を使用
出所:ブルームバーグのデータを基にピクテ投信投資顧問作成
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『NYダウ暴落を招いた3つの要因』を参照)。
(2020年6月12日)
田中 純平
ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト
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