どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、東急田園都市線「たまプラーザ」駅。

東急創業者・五島慶太の理想を具現化した街

「たまプラーザ」駅は横浜市青葉区に位置する、東急田園都市線の駅です。1966年に田園都市線「溝の口」~「長津田」の延長がされたときに開業。1日の乗降客数は8.4万人弱です。

 

80年代に放送されたドラマの影響がいまなお強いイメージを残す「たまプラーザ」、通称「たまプラ」ですが、駅がある「美しが丘地区」は、戦後、東急電鉄を中心に開発された多摩田園都市の一角にあります。計画を発案したのは、東京急行電鉄(東急)の事実上の創業者である五島慶太氏。東京の郊外に自然と共生する緑豊かな都市を建設するという、イギリスの田園都市構想を参考にした街をつくろうとしたのです。

 

開発がスタートしたのは、1963年。自動車と歩行者のルートを分けた「ラドバーン方式」や住宅地内を自動車の通り抜けができないようにする「クルドサック方式」など、自動車交通の利便性と住宅地としての快適性を両立する先進的な手法を取り入れながら街は作られていきました。また田園都市構想を参考にしただけあり、通りには街路樹が植えられ、街でありながら自然豊かな環境を形成しています。地域住民の景観に対する意識は高く、並木の手入れなど、ボランティア活動が盛んであるのも、この街の特徴です。

 

エリアには厳しい建築協定があり、商業エリアと住宅エリアが完全に分離。住宅エリアには商業施設が一切なく、閑静な住宅街が広がります。そのため、街のにぎわいは自然と駅周辺に集まります。

 

長らく、高感度の住民の要望に応えてきたのが、1982年に「たまプラーザ東急百貨店」(現「東急百貨店 たまプラーザ店」)をキーテナントに、70店の専門店が入る「たまプラーザ東急SC」。2009年には「たまプラーザ テラス ノースプラザ」としてリニューアルオープンしました。

 

 

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2006年から始まった駅周辺の再開発では、駅上に人口基盤が作られ、2007年に「サウスプラザ」、2010年には大型商業施設「たまプラーザ テラス」がグランドオープン。アパレルショップからレストラン、インテリアショップ、カルチャーセンターなど、住民の生活をワンランクアップさせてくれるテナントが揃い、遠方からの来訪も多い人気施設になっています。

 

そんな「たまプラーザ」で問題になっているのが、住民の高齢化です。「美しが丘」の名前の通り、一帯は坂の多い地域。特に戸建てエリアは駅から離れたところに整備されたことから高齢者にはきつく、流出が目立っているというのです。このままではゴーストタウンになってしまうという危機感から、きめ細かな交通網の確保など、さまざまな取組みがされています。

 

「たまプラーザ」駅構内
「たまプラーザ」駅構内

 

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