どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、JR山手線「目白」駅。

喧騒からは程遠い、山手線・随一の高級住宅地

「目白」駅は、東京都豊島区に位置するJR山手線の駅です。山手線駅で他路線がないのは、ほか「新大久保」駅だけ。1日の乗車人数は3.8万人ほどで、山手線駅では「鶯谷」に次ぐ少なさです。

 

同じ山手線駅に「目黒」があり、「黒なのか白なのか紛らわしい」という声を聞きますが、さらに「目青」「目赤」「目黄」もあるというから、混乱してしまいそうです。

 

話は江戸時代まで遡ります。江戸開府のとき、天台宗の僧・天海がこの地を守護するため、五体の不動明王の像をつくり配置。不動明王の目の色は赤・黒・青・白・黄としたことから「江戸五色不動」と呼ばれたのだとか。五色不動は、陰陽五行思想(木・火・土・金・水)に相対する五色(白・黒・赤・青・黄)にちなんだ不動尊で、現在も東京に存在しています。

 

「目黒不動尊」は東急電鉄目黒線に「不動前」という駅があることからよく知られていますが、目赤不動は文京区「大聖山」、目青不動は世田谷区「教学院」、目黄不動は江戸川区「最勝寺」と台東区「永久寺」、そして目白不動は豊島区「金乗院」にあります。ここで目黄不動がなぜ2つあるのか、気になるところですが、話は別の機会に譲りましょう。

 

そんな「目白」は、歴代の皇族も通った名門「学習院大学」のイメージが強い街ですが、ほかにも「日本女子大学」や「川村中学校・高等学校」をはじめ、多くの教育機関が集積する文教地区。朝夕の通学時間帯は、多くの学生でにぎわっています。

 

 

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また由緒ある高級住宅地としても知られていて、都内でも教育熱の高い街。公立小学校に通う半数以上の児童が私立中学校に進学するため、幼児教育の私塾や進学塾が多いことでも有名です。

 

山手線駅としては珍しく、駅周辺には目立った娯楽施設や商業施設がないので、ゴチャゴチャした印象を受けません。一方で、通勤・通学での利用がなければ、たとえ東京在住でも「降りたことがない駅」として名前があがりやすい街です。

 

山手線
山手線

 

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