人気ドラマの舞台にもなった、下町感が魅力の街
「十条」駅は東京都北区にある、JR埼京線の駅。1日の乗車人数は3万8,000人ほどです。
現在「十条」という単体の地名はなく、上十条、中十条、東十条、十条台、十条仲原に分かれています。かつては下十条も存在したそうですが、現在はなくなっています。地名の由来は諸説ありますが、その1つが漢字から何となく察することができるように、条理制の耕作地で、十本のあぜ道に区切った所だったから、というものです。
この「十条」という駅、どこにあるのかといえば、池袋から2駅目、さらに埼玉方面の隣駅は「赤羽」という立地です。人気漫画『孤独のグルメ』や清野とおる氏のエッセイ漫画『東京都北区赤羽』によって「赤羽」の人気が急上昇。人気の街に仲間入りするなかで、陰に隠れたような存在なのが十条という街です。
十条の代名詞といえば商店街。テレビにもよく登場します。このエリアには11もの商店街が林立し、下町感あふれる雰囲気です。そのなかでも最も賑わっているのが、駅西口から北へとアーケードがのびる「十条銀座商店街」。品川区「戸越銀座商店街」、江東区の「砂町銀座商店街」と並び、東京三大銀座の1つに数えられる、都内でも有数の商店街です。都内でもシャッター街と化した商店街多いなか、ここ十条銀座商店街には青果店や鮮魚店など生鮮食品店が残っており、買い物時の夕方には、威勢のいい声がこだましています。またコロッケや焼き鳥などの惣菜店では、行列をなすことも。物価も安く、コロッケ1個30円、なんていうお店もあります。
人情味あふれる雰囲気は、人気ドラマ『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』で取り上げられるほど。第7話に登場した外国人女性は、古き良き日本の情景が残る十条の街が気に入り、住むことを決めました。
また駅西口から徒歩10分のところには帝京大学板橋キャンパス、駅南口から板橋方面に歩いていくと、東京家政大学があり、学生が多く住む街でもあります。
駅西口駅前は再開発が進行中で、2021年には37階建てのタワーマンションが竣工予定。また埼京線で東西を分断されている十条の街ですが、埼京線の高架化計画も持ち上がっています。さらに木造住宅が密集しているエリアであることから、セットバックして道幅を広げるまちづくりが進められています。一方で地域住民からは根強い反対意見も多く、開発には遅れも生じているようです。
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