経営者のタイプが会社のカラーを決める
前回に引き続き、自分を知る方法について見ていきます。
②経営者としてのタイプと役割を分析
自分の棚卸によりここまでの人生の歩みを振り返ったところで、それを会社と結びつけ、自分が事業とどう関わってきたか、どんな役割をしてきたのかを確認していきます。事業継承において重要なのは、自らがどんな経営者であったかを客観的に分析することです。
なぜなら、経営者のタイプはそのまま会社のカラーとなるものであるため、自らを知ることが会社について知ることにもなるからです。また、自分が担っていた役割もクリアにしておくことで、後継者への引き継ぎの際、相手との仕事上の得手不得手を考慮した最適な引き継ぎ方法を選ぶことができます。
<経営者としてのタイプ分析>
図表1の質問に、YESかNOで回答していきましょう。それぞれのテストごとに数字を足していき、それぞれ4点以上になれば、外交的、直観的、柔軟、独断的、3点以下になれば、内向的、現実的、規範的、合議的というタイプに分類されます。そして導き出される4つのタイプが、あなたの会社のカラーにつながっていると考えられます。例えば、社交性は6点、直感性は3点、柔軟性は5点、独断性は2点という結果になれば、経営者としてのタイプは「外交的・現実的・柔軟・合議的」となります。
【図表1 経営者としての役割を整理する(経営者タイプを知る)】
組織における役割から自分の「職種タイプ」を判断
<経営者としての役割分析>
どんな小さな会社にも、複数人で行う以上は必ず“業務分掌”が存在するはずです。もし組織図があればそれを確認し、自分は組織におけるどのような業務に明るく、どのような役割であったかを考えます。業務上の分担状況から、各部署への自分の介入度合いをイメージすることで、自分がどのような職種寄りの経営者なのかがわかります。ここで、主だった職種タイプを挙げておきます。
●営業系
・直接営業職型(いわゆる営業)
・間接営業職型(テレマーケティングなど)
●営業支援系
・営業支援職型(商品企画・営業企画・広報など)
●専門技術系
・専門技術職型(研究・開発・プログラム・スーパーバイジングなど)
・一般技術職型(販売・配達など)
●管理系
・事務専門職型(財務・会計・経理など)
・一般事務職型(総務・受付・秘書など)
ひとつ注意しなければいけないのは、あくまで現実に沿った形でタイプを判断することです。
例えば、自分では直接営業職型であると思っていても、社内の営業部が極めて優秀であったおかげで自らの介入度が低く、むしろ営業支援業務のほうが多かったりするなら営業支援職型。もし専門技術職型であると思っていても、実際は営業現場に赴いて説明している時間のほうが長かったなら、直接営業職型と考えるようにします。ここまでで判明した「経営者タイプ」と「職種タイプ」は、のちの分析に使用しますので、覚えておいてください。
【図表2 業務上の役割を確認する(職種タイプを確認する)】
【図表3 後継者候補を選定する】