どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身の会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、京浜東北線「蕨」駅。

徒歩で20分隣町…コンパクトにまとまった「蕨」

「蕨(わらび)」駅は埼玉県蕨市にある、JR京浜東北線の駅です。1日の乗車人員は6万人強。県下のJR駅では「大宮」「浦和」「川口」「南越谷」「北朝霞」に次ぐ、第6位の規模です。

 

京浜東北線のみが停まる
京浜東北線のみが停まる

 

蕨の由来は、有力な説が2つ。近隣の戸田や川口にある地名、青木や笹目、美女木などの植物にならったとか、平安末期から鎌倉時代の僧侶の「武蔵野の草葉にまさるさわらびをげにむらさきの塵かとぞみる」の歌からとったという、植物の「蕨(わらび)」に由来するという説。もうひとつが、源義経が立ちのぼる煙を見て「藁火(わらび)村」と名づけたとか、平安時代の歌人、在原業平が藁をたいてもてなしをうけたところから、「藁火」と命名され「蕨」に転じたという説です。

 

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蕨といえば、全国の市のなかで最も面積が狭いことで有名。区町村含めても、全国で8番目の狭さで、全国の市町村で最も高い人口密度を誇ります。「蕨」駅を降りて市を縦断すると、徒歩20分強、直線距離にして1.1kmほどでお隣の戸田市という小ささ。ちなみに直線距離で4km、徒歩で1時間20分強で、蕨市の端から端まで横断することができます。

 

また毎年1月に行われる成人式の発祥も、ここ蕨市。1946年から行われている「青年祭」がベースとなり、全国に広がったといわれています。

 

そんな蕨市の中心である「蕨」駅は、川口市との市境近く。駅東口を出ると、飲食店やカラオケなどが入る雑居ビルが並び、少々ごちゃごちゃした印象。駅前通りを進み、120mほどいった交差点を超えると、もうそこは川口市です。

 

反対の西口を出てみましょう。西口にはどこか懐かしい雰囲気のロータリーが広がり、東口よりは開けた印象です。その周囲にはやはり雑居ビルが建ち並び、飲食店をはじめとしたお店が集積。蕨市役所は西口から1.2km、徒歩で15分ほどのところあります。

 

駅周辺には東口、西口ともに目立った施設はなく、雑居ビルを抜けた先に広がるのは住宅街。徒歩圏内に行政、商業、住居のすべてがコンパクトに集まっています。

 

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