どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身の会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、東京メトロ日比谷線「六本木」駅。

意外と家賃は低くても…なにかしらの妥協は必須

そんな六本木に、普通の会社員が住む、というのは無謀でしょうか。家賃水準をみてみましょう。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は10.38万円、11分を超えると8.77万円という水準です(図表1)。港区全体の家賃水準と比較すると、「六本木」駅周辺は家賃水準の低いエリアだといえます。

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合 会調べ(4月22日時点) ※単位は万円
[図表1]「六本木」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合
会調べ(4月22日時点)
※単位は万円

 

六本木には、繁華街で働く方を対象にした賃貸物件も豊富。また路地裏には再開発からは取り残されたエリアがあり、築古の賃貸物件も多く点在します。そのため利便性の反面、家賃水準は港区のなかでは低くなっています。

 

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円です(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、都内勤務30代前半は8.5万円です。

 

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」 ※10名以上の企業対象 ※数値は所定内給与額 ※単位は万円
[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」
※10名以上の企業対象
※数値は所定内給与額
※単位は万円

 

 

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会社員の適正家賃から考える、六本木は、駅から離れれば30代会社員でも居住可能なエリアだといえます。しかし大手ポータルサイトで検索すると、適正家賃内の物件は、専有面積こそ20㎡ありますが、築50〜60年という物件。耐震性を意識して築20年までの物件に限定してみると、同条件で12万円からという結果に。会社員が六本木に住むには、いろいろと犠牲にして物件を選ばないといけないようです。

 

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