どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身の会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、東急東横線「学芸大学」駅。

 

このような「学芸大学」駅周辺の居住性をみていきましょう。まずは駅周辺の家賃相場です。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は8.08万円、11分を超えると、9.18万円という水準です(図表1)。駅チカのエリアには、築年数の古い単身者向け物件が多く残るのに対し、駅から離れた大通り沿いには築年数の浅い物件が豊富です。そのため駅から離れたほうが家賃相場が高くなるという逆転現象が起きているようです。

 

出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(4月15日時点) ※単位は万円
[図表1]「学芸大学」駅周辺の平均家賃 出所:公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(4月15日時点)
※単位は万円

 

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円です(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、都内勤務30代前半は8.5万円です。

 

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出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」 ※10名以上の企業対象 ※数値は所定内給与額 ※単位は万円
[図表2]20代後半、30代前半の平均月給 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」
※10名以上の企業対象
※数値は所定内給与額
※単位は万円

 

東急東横線は、沿線の家賃相場が高いことで有名な路線です。「学芸大学」も同様で、20代の会社員には手が届くことなく、30代の中堅会社員であればやっと手が届くかどうか、ギリギリの街だといえそうです。

 

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