前回に引き続き、所有する賃貸物件を「Airbnb」化することで、収益を改善した事例を見ていきましょう。

好立地物件をリノベしてAirbnbに活用

今回ご紹介するのは、東京都渋谷区、築28年のワンルームマンションをAirbnbに転換することで安定収入を確保した例です。

 

オーナーは、地主だった親から相続した築28年のマンションを運用してきました。筆者の会社とは2015年5月、マンション仲介会社より紹介されるかたちでお付き合いが始まりました。

 

幸いにしてその時点での入室状況は満室だったのですが、築年数の経ったマンションは老朽化が激しく、収入はあっても修繕費にお金が出て行く一方でした。さらに空き室が出た段階でリノベーションしなければならないことは決定的でした。

 

このまま修繕を繰り返してもイタチごっこにすぎず、またリノベーションをしても大きな利益は見込めません。そこで、より効率のいい運用方法をということで物件をAirbnbで活用することを提案しました。

 

新宿から電車で3分という好立地は、Airbnbに最適です。最寄り駅にも徒歩6分と近く、周辺にはAirbnbゲストが好みそうな庶民的な飲食店や小洒落たショップ、行列のできるラーメン屋などもあり、典型的な日本の住宅街の一画です。

 

[図表1]リノベーション前

 

全20室あるうちの半分程度をリノベーションしAirbnbに活用しています。既にリフォーム済みだった物件には家具をコーディネートし施工費も数十万円で済みました。1つの物件だけは私の会社で170万円をかけて全面リフォームし、木のぬくもりが感じられるシンプルでナチュラルな部屋へ生まれ変わりました。

 

[図表2]木のぬくもり感のある部屋に

通常の賃貸よりも収益が倍近く増加

これらの物件の価格設定は、18㎡の部屋は1泊当たり8500円と9000円、35㎡の部屋は1万4000円程度です。

 

一番早くにオープンした18㎡、1泊8500円の物件(渋谷区①)での採算を挙げると、年平均の稼働率は65.3%で、収入の多い月で40万円あまり、少ない月でも10万円以上はあります。1年トータルで見れば、最終的な収益は約170万円になります。

 

[図表1]物件収支例(渋谷区①と同等規模の物件)

実際の数値とは異なります。あくまで参考程度に留めておいてください。
実際の数値とは異なります。あくまで参考程度に留めておいてください。

 

これらの物件はオーナーの娘さんがホストになり、私の会社が運営代行を行うかたちをとっています。

 

オーナーは現在、私の会社に支払う運営代行費や水光熱費、インターネット代、消耗品代などすべてのAirbnb運営経費を差し引いて、月額14万から15万円程度の手残りがあり、以前の通常賃貸(18㎡で賃料は7万5000円から8万円)と比べると、収益は倍近く増えました。今後は空室が出れば随時Airbnb用に転換していく予定です。

本連載は、2015年12月11日刊行の書籍『中古アパート・マンションが生まれ変わる airbnb空室物件活用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

中古アパート・マンションが 生まれ変わる airbnb空室物件活用術

中古アパート・マンションが 生まれ変わる airbnb空室物件活用術

小沢 吾亘・町田 龍馬

幻冬舎メディアコンサルティング

ここ数年“サラリーマン大家”という言葉が定着してきました。年功序列や終身雇用制度が崩壊し、将来に不安を抱えるサラリーマンが安定した資産を築く手法として注目しているのが不動産投資です。 こうしたサラリーマン大家…

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