物件周りや物件自身、家賃相場は現地で確認
今回は、不動産業者から情報が来て以降の流れを見ていきましょう。そして、融資が決まってから、どんな流れになっていくのかを紹介します。経験者の方はおわかりでしょうが、不動産投資初心者の方は、このような流れになることを理解しておきましょう。
【筆者の物件情報から購入までの過程】
①物件情報が来る→構造、築年数、家賃、物件価格で検討するかダメか一瞬で決める。ほとんどダメだが検討する物件が残る。
②物件概要書から道路、建蔽率、容積率の違法性をチェックして問題なければ、収益還元と積算を計算する。
③業者に連絡して現地に見に行く。このときに他の人から買付が付いているかどうか確認する。現地には問題なければ買付を入れる気持ちで行く。
④物件周りや物件自身と家賃相場を近くの賃貸業者に聞いて、購入希望になれば、買付を入れ、同時に銀行に融資申し込みの電話をする。
⑤融資必要書類を銀行に送り、不動産業者に融資審査に必要な登記簿情報等を銀行に送ってもらう。
⑥不動産売買契約書と重要事項説明書を契約前に送ってもらい、問題点は質問するか、もしくは修正してもらう。
⑦融資が万一ダメになってもいいようにローン条項を入れて不動産売買契約をする。
⑧融資契約書を書く。
⑨銀行にて融資の実行。
物件を見ないで買う人はよほどの達人です。そもそも物件をしっかり見ていないと銀行担当者の質問に答えられません。そのあたりの地理や状況を見ないでもわかる人を除き、ほぼいないと思います。いろいろと確認する必要はありますので、現地は必ず見ることを推奨します。
駅から実際に歩いてみることも大事
【融資申し込みをする前の現場確認】
現地を案内してもらうときは、不動産業者と駅で待ち合わせをしてから、現地まで車で行くことが多いと思いますが、帰りは駅まで歩いてみましょう。その際のチェック事項は以下になります。
●駅〜物件まで道のり確認事項
・駅から実際に歩いて実際の時間を確認
・夜道の明るさ
・銀行、コンビニなど利便施設
実際に歩いてみると大きな交差点があるため、予定の時間より長くかかる場合があります。道の広さも自分の目で確認します。夜道の明るさは夕方に行くのが一番わかりますが、電燈も確認する必要があります。女性の顧客がターゲットの場合、とりわけ夜道が暗いことや物寂しい道はNGです。
単身用の物件では銀行やコンビニが近くにあること。ターミナル駅周辺の物件では気にしなくても揃っています。ファミリーの場合は小学校や中学校が近くにあるか。とくに名門学校のある地区であれば望ましいのですが、そんなにうまくはいきません。徒歩圏に学校があれば、まず問題なしとします。
また訪問してみなければわからないのが、物件自体とその周辺環境です。坂道の途中に物件があったり、がけに面して建っていることがあります。とくに横浜などは街に坂道が多くあります。横浜の物件概要書に「駅から8分、平坦な道」とあり、筆者も事情を知らないころは「なにを当たり前のことを書いているのだろう?」と不思議でしたが、坂の多い街ならではの概要書でした。日当たりや湿気は実際に現場へ行ってみないとわかりません。とくに1階が問題ですから、必ず確認をしておきましょう。
●周りの確認事項
・湿気(もともと沼地であったりするとカビが出やすい)
・がけ
・坂道
●物件自体の確認事項
・土地の境界線
・外壁のタイル
・空き部屋
・ゴミ収集所
・自転車置き場
・駐車場
・玄関周り清掃
現地に着くと、まずは土地の境界線を確認します。境界線が砂に埋まっていることもありますが、少し掘り起こすと出てきます。RCや重量鉄骨はタイル張りがきれいですが、時間の経過とともに浮き上がったりひび割れもします。タイルの浮き上がりを確認する方法は、建物に顔をつけるくらい最接近して上を見上げます。
そうすると浮き上がり具合がわかります。ひび割れはある程度仕方がありませんが、基礎の柱に大きなひび割れがある場合は要注意です。ゴミの収集場を見れば物件の管理と住人の状況がわかります。管理会社の仕事はゴミ置き場に現れるものです。
また、新しく募集するときも、入居希望者はここをチェックしますので、キレイにしておかなければいけません。ゴミの取り扱い方は購入後変えることができますので、汚いからといってダメなわけではありません。
自転車置き場は、不要になった自転車が放置されていることがよくあります。物件を購入したときに管理会社にお願いして、整理することをお勧めします。駐車場にも車以外に物が散乱していることありますから確認しておきましょう。とくに玄関周りはみんなのために気持ちよくしておくことが望まれます。