不動産投資において、最大の関門ともいえる「融資」。本連載は、カーター校長として親しまれている河田康則氏の新刊で、2014年4月に刊行された『金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、融資交渉のノウハウなどをご紹介します。

売主には任意売却物件売却権限がない

任意売却物件は、何らかの理由で支払いが困難になったもので、競売に出る前に専門の業者等で扱われている物件です。これは債権者である銀行と債務者になる売主、また、買主それぞれにメリットがあります。

 

銀行は競売で処分するよりは一般に任意売却で処分した方が高く処分できるため回収できる金額が増えます。債務者である売主も同様に、競売で処分するよりはもらえる金額が増えるので価値があります。

 

買主も一般市場で購入するより安く購入することができて、それぞれにメリットがあります。一見すると素晴らしいように思えますが、これがなかなかの難物なのです。

 

まず、誰と交渉したらよいのかです。一般の物件であれば売主の気持ちが一番です。しかし、任意売却物件になっているということは、つまり売主は売却の権限が実質ありません。誰と話をしたらいいのか最初は全くわかりませんでした。弁護士が中心に出てくるので「弁護士だろうか?」と思ったこともありました。実質は債権者である融資を実行した銀行が持っているのです。

売却決定者は債権者である銀行・金融機関

筆者の失敗体験は、2009年6月のことです。

 

まず任意売却物件の話が買主を探す業者から来ました。任意売却は専門の業者がありますので、そこからの紹介です。物件そのものは気に入ったので少し指値を入れましたが、なかなか値段が決まりません。これは買主側の業者、売主側の業者、ときにその中間に業者が入っていることもあります。これで話がよじれるのです。

 

最終的に何度交渉しても話が前に進まないので、債権者の金融機関の責任者に直接交渉する機会を設けてもらうことにしました。

 

すると「2億6500万円でなんとかなりそうだ」という買主側の業者の話でしたが、金融機関責任者に話したところ、「3億円以下では売らない!」との返事でした。

 

それ以下では損切りになるとのことでした。今なら3億で買い付けを入れ直すか、諦めるかを判断したと思いますが、このときは相手も売却をしなければいけないので、「交渉してなんとかなるのでは?」と甘い考えで交渉しました。

 

こちら側の銀行と交渉して2億7500万円くらいはいけそうな感触でした。そこで2億7500万円で再提案しましたがダメでした。

 

ここまでくると、筆者も買いたい気持ちが高まって思い切って現金を1500万円プラスして2億9000万円が最後のつもりで交渉をしました。

 

このときは金融機関が「1週間待ってほしい」と返事してきました。これはいよいよ3月の決算の締切が近づいており、買えるかもしれないと期待しました。しかし、結果はダメでした。この金融機関は3月に損切りを出さなくて、問題なく会社の決算はできるので「3億円を超える買主を待ってから売る」と決断したようです。

 

何度も交渉して時間もかかりました。また、この交渉をしているときは他の良い物件の情報があっても、この物件が買えることになると資金が足りなくなるので買い付けを入れられません。こんな感じだったので不成立に終わったときは残念でした。

物件の売却状況と金額を押さえることが重要

これで学んだことがあります。

 

任意売却物件は物件のグリップ、つまり、いかにその物件の売却の状況と金額をしっかり押さえていることが一番重要だということです。

 

その不動産業者は売主本人と弁護士に感触を聞いていたようですが、肝心の債権者である金融機関の意思をしっかりと把握できていなかったのです。売主側の業者とのコンタクトも十分ではありませんでした。

 

買えないとたしかにガッカリするのですが、ここでプラス思考と成功曲線が生きてくるのです。今回は残念ながら買えなかったけれど良かった。任意売却の交渉のポイントについて身をもって体験し理解することができた。次はもっとスムーズに交渉できる。このようにプラスに考えたのです。

 

また、これは成功曲線のなかの1つです。努力しても結果が出ないときのことであり、必ずよい結果を後にもたらしてくれる! このように確信したので次に進むことができたのです。

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    本連載は、2014年4月11日刊行の書籍『金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    河田 康則

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