4月第1週は後場に入って売られる場面が目立った
4月第1週(3月30日~4月3日)の東京株式市場は軟調に推移しました。米国で新型コロナウイルスの感染者数が大幅に増加したことから、世界経済の回復が遅れるという見方が広がり、日経平均株価は週初から4日続落となりました。週末の3日(金)こそ反発しましたが、前日比1円の上昇にとどまり、週末で売り方の買い戻しが多少入ったに過ぎないとの指摘は多いです。
国内でも感染者数が増えています。東京都の小池知事は連日で会見を行っており、不要不急の外出を控えるようにと注意を喚起しています。東京都が発表する都内の感染者数が日に日に増加しており、「首都封鎖」への警戒も強まっています。
今週は特に後場に入って売られる場面が多く、午前中に買いから入った投資家でも、ポジションを翌日に持ち越したくないとして、午後に早々に手放していると見受けられます。首都の東京で感染拡大が続いているとのニュースが世界的に伝えられており、欧州の早出のトレーダーが売っている(売りから入っている)ことも、後場の軟調推移の背景とみられます。
それでも、原油価格の上昇を材料に米国株上昇への期待で買いが入る場面もありましたが、高くなるところでは戻り売りに押されました。
日経平均株価は、週間では約1,569円の下落となりました。
決算後に悪材料出尽くしとなる銘柄が出てくる可能性
4月第2週(4月6日~10日)の東京株式市場は横ばいで、一進一退の値動きが予想されます。
新型コロナウイルスの感染拡大に神経質となる状況は、大きくは変わらない見通しです。ただ、目先の悪材料はほぼ織り込まれており、徐々に投資家の目線は新型コロナ関連以外に移っていく可能性もあります。
この点では、今週は中国の経済指標に安心感のあるものが出てきたほか、原油価格が持ち直すなど好材料も出てきており、一定の下支えになると考えられます。国内では2月期企業の決算発表がピークを迎えます。終わった2020年2月期の数値は悪くても、やはり株価に織り込まれています。いったん悪材料出尽くしとなる銘柄が出てくるかもしれません。
この1カ月ほどはマーケット自体に材料が乏しく、幕間つなぎ的に新型コロナウイルスに関心が向かい、その報道に振らされたという側面もあります。2月期企業、そして3月期企業と本決算の発表が本格化するにつれて、個別企業に焦点が当たることで、新型コロナ関連のニュースに反応しづらくなる可能性もあるかもしれません。
前週の3月27日(金)が3月期銘柄の権利付き最終日であったため、4月第1週はもともと売り圧力が強まりやすい地合いでした。これに新型コロナの要因があって、日本株の下押し圧力が強まったとも考えられます。
その一定の反動も見込まれるため、下落基調にはいったんブレーキがかかりそうです。4月3日(金)に発表される米国雇用統計を無難に通過できれば、反転上昇とまではいかなくても、上昇と下落を繰り返す、一進一退の値動きが予想されます。
※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。