60代以上の「現在投資している」は43.3%
投資信託協会ではこのほど、60代以上を対象とした「投資信託に関するアンケート調査(2019年)」の結果を公表しました。同協会では毎年、投資信託に関する調査を実施しており、メディアなどへの周知のほか、調査結果を制度改正に活用しています。
今回はこの調査結果について、興味深いものを選んでご紹介しましょう。
インターネット調査(マクロミルモニターおよび提携パネルより抽出)で、調査地域は全国(首都圏、阪神圏、その他の3ブロック)、調査期間は1月24日(金)~1月30日(木)となります。サンプル数は60~69歳が2,319名、70~79歳が1,805名、80歳以上が1,022名で、合計では5,146名です。
まず、60代以上の投資経験について「現在投資している」は43.3%となり、2019年調査の46.1%から微減となりました。投資理由をたずねると、「預貯金の金利が低いから」、「投資そのものを楽しむため」、「資産を分けて保有しておくため」が上位に並びました。
一方の投資未経験の理由は、「そもそも投資に興味がないから」、「投資の知識がないから」、「投資するための資金がないから」が上位となりました。
「投資信託」利用を検討しているのは男性が多い
続いて、初めて投資をしたきっかけを調査すると、男性では「自分から自然と興味を持った」が最も高く、他の項目と約28ポイント以上の差がありました。
一方、女性では「家族や友人、知人に勧められた」が最も高く、次いで「金融機関から勧められた」となりました。
投資経験者の投資の経験・考え方については、男女ともに「過去に自分の投資を後悔したことがある」が最も高くなりました。次いで「年齢を重ねるにつれて、ローリスク・ローリターンの投資をするようになった」、「以前より自分で調べて投資することを面倒に思うようになった」が上位に並びました。
特に女性では、「年齢を重ねるにつれて、自分の判断に自信がなくなってきた」が高くなっています。
利用を検討してもよいと考える金融商品についても聞いています。結果は「預貯金」が最も高く、次いで「株式」となりました。「投資信託」は3位ですが、2位の「株式」とは約14ポイントの差があります。
なお、「投資信託」の利用検討の意向を聞くと、女性より男性で高くなっています。
引き継いでもらいたいのは「現金・預貯金」が上位
最後に、老後の金融資産の管理について聞いています。
今後の金融資産の管理意識に関して、「出来るだけ金融資産は取り崩さず、年金やその他の所得のみで生活すると思う」が50.0%で最も高くなりました。次いで「預貯金等から現金を取り崩して生活すると思う」が 37.2%、「投資をし、運用しながら金融資産の一部を現金化し生活すると思う」が10.9%と続きました。
自分の財産の相続意向については、「相続させたい」が 44.6%、「どちらともいえない」が 39.5%となりました。
相続意向者において、引き継いでもらいたい資産は「現金・預貯金」、「家屋」、「土地」が上位となり、この傾向は2019年と同じです。
金融資産相続意向者のうち、現金化意向者は 28.0%です。その内訳は「金融商品は全て売却(現金化)」が 16.4%、「金融商品は一部を売却(現金化)」が 11.6%の順です。
以上、投資信託協会が公表した調査結果の中から、抜粋してご紹介しました。ご自身の投資スタンスや金融資産の管理方法、考え方に対して、他の同年代の方はどう考えているのか、参考になると思います。