デイトレード初心者が陥りやすい落とし穴
デイトレードで勝つにはいくつかの要素があります。エントリーポイントや資金管理、銘柄選びなどがありますが、初心者が最も悩むのが銘柄選びです。初心者は、どのような銘柄を選べばいいのでしょうか?
結論からいうと、デイトレード初心者は上昇率ランキングの上位銘柄を選ぶとやりやすいです。しかし、これには欠点があります。値動きが大きいので、予想を外した時の下落幅が大きいということです。
慣れている方なら素早い損切りもできますが、初心者の場合、予想外の値動きに対する反応が遅くなる傾向があります。その結果、損失が予想外に膨らみ、資金を減らしてしまうことがあるのです。
また、押し目の判断ができない場合もあります。寄り付きに成行で注文を出して素直に上がってくれればいいのですが、6~7割の確率で、最初の20~30分後に調整する場面が出てきます。寄り付きで買ってしまうと、この押し目の含み損が怖くなり、損切りしてしまうのです。また、その日がたまたま陰線(下落)の場合もあります。この場合は、損切りしそこなって、大きな損失になってしまいます。
これらの失敗は初心者に多いのですが、中級者以上でも起こります。こういった失敗の可能性を少しでも減らすには、一日の利益率を決める目標設定が重要になってきます。目標が決まれば、利益確定と損失確定の目安ができるので、その値動きに合った銘柄を選べるようになるでしょう。
デイトレードをする場合は、上昇率ランキングの中でも、一日の値幅が自分の許容範囲内の銘柄を選ぶことをおすすめします。
デイトレードの「トレード時間」は想像以上に短い
デイトレードと一口にいうと、朝9時から午後15時まで、いつでもエントリーしてトレードを重ねていくようなイメージを持つかもしれません。ではその中でも、最も値動きが良く、利益を上げやすい時間はいつでしょうか?
最もデイトレードに向いている時間は決まっています。それは「寄り付きから1時間以内」です。日によっては、この時間帯よりも値動きが大きくなる時間もありますが、安定して値幅を取れるのは、株式市場が開いてから1時間程度なのです。デイトレードは9時から始まって、10時までにはその日のトレードの8割が終了すると考えてください。
次に値動きが良いとされるのは、後場の寄り付きですが、寄り付きから20~30分程で落ち着くうえ、値幅はたいてい朝の半分以下です。さらに地合いが悪い日は、まったく動かないこともあります。
次に、朝のデイトレードで起こりうるパターンについて紹介します。当然、毎回同じパターンにはなりませんが、銘柄の選び方が同じ条件になっていれば、半分近くがこの値動きになるというパターンです。
まず銘柄の選び方ですが、ヤフーファイナンスなどで1週間の値上がり率ランキングトップ10を確認します。その中で、値幅が自分の許容範囲の銘柄を選びます。毎日確認していると気付きますが、株価、出来高、値幅が似ている銘柄が、必ず2~3銘柄トップ10に入ってきます。この2~3銘柄を選べば、練習にはちょうど良くなるでしょう。
ここで、実際によくある値動きのパターンを紹介します。まずギャップアップであることを確認してください。そして5~15分ほど上値を追います。瞬発力に自信のある方はここで買いエントリーポイントを設定してもいいでしょう。15分ほど上昇すると、利益確定の売りが出てきます。ここは押し目買いのポイントと考えてください。そして9時30分前後から再度上昇をはじめ、その日の高値を抜いていきます。ここが利益確定ポイントです。非常に簡略化した説明ですが、かなりの頻度で現れるパターンなので、覚えておくと便利です。
「リスクリワード厳守」で資金を管理する
デイトレードは、毎日トレードをして小さな利益を積み上げることが基本となります。そのため、「毎日トレードしたい」「なんとなく勝てそう」という動機でトレードを繰り返す傾向が強くなります。しかし、しっかりしたルールに基づいてトレードしないと、エントリーポイントが悪くなり、損失が膨らみやすくなります。
この状況を避けるために、リスクリワードの概念と使い方を紹介します。
リスクリワードを聞いたことがある方は、多いかもしれません。では、自分のリスクリワードを守れているでしょうか? デイトレードに限らず、リスクリワードを守れないでトレードをすると、時々発生する大きな損失で、それまでの利益を失うパターンが増えてしまいます。
リスクリワードは、利益と損失の比率を決めてからエントリーポイントを決めるやり方です。たとえば、リスクリワードが3なら、利益を3%、損失を1%に設定し、その株価位置でポジションを持てるように注文を出します。いくつかのネット証券なら、IFDO注文でポジションを持ったと同時に、利確と損切りのOCO注文を出せるので、発注前にリスクリワード厳守の設定ができます。デイトレードで生き残るためには必須の考え方なので、ぜひ身に着けてください。