米国がゼロ金利に…混乱終息どころか難しい相場になる可能性

米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度)が日本時間早朝、事実上のゼロ金利政策に踏み切ることを決めました。合わせて、量的緩和政策も導入します。トランプ大統領は歓迎していますが、これで本当にマーケットの混乱は落ち着くのでしょうか。

FRBが事実上のゼロ金利政策に踏み切った

今週の金融マーケットも手がけづらい展開になりそうです。

 

3月13日の米国市場では、NYダウは終値で23,185.62ドル(+1,985.00ドル)と急反発し、+9.36%の上げ幅となりました。米国のトランプ大統領がこの日、国家非常事態を宣言したことで、政府主導の積極的な対策が打たれるとの期待が、マーケットに広がったためとされてます。

 

また、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度)は現地時間15日(日本時間の16日早朝)、臨時の会合を開いて政策金利を一気に1.00%引き下げ、事実上のゼロ金利政策に踏み切ることを決めました。合わせて、市場に大量の資金を供給するため量的緩和政策の導入も決めており、混乱の続く株式市場の動揺を和らげるほか、景気悪化を食い止めようと動いた格好です。

 

トランプ大統領はFRBの大幅利下げに歓迎の姿勢を示した
トランプ大統領はFRBの大幅利下げに歓迎の姿勢を示した

 

トランプ大統領は以前から、米国の金利は高すぎると不満を表明していましたが、FRBの決定を受け、「とてもいいニュース」と歓迎の姿勢を示しました。FRBが異例となる1.00%もの大幅利下げを行ったことで、金融政策の面では、当面考えられうる策を一気に出したということになりそうです。

 

この点では、日本銀行も16日早朝、FRB、英国のイングランド銀行、カナダ銀行、スイス銀行と協調して、金融市場へのドル資金の供給を拡充することを発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大による、金融市場の動揺を抑えるためとされています。

FRBの決定は「持っているカードをすべて切った」形

さて、これで混乱の続いた世界の金融マーケットは落ち着きを見せるのでしょうか。

 

リーマン・ショックなど、これまでの経験則を踏まえると、そうはなりにくいだろうというのが、正直なところです。

 

政府による何らかの政策や、中央銀行による金融政策というのは、先手を打って早くやり過ぎても良くないというのが、これまでのパターンです。今回のFRBの決定は「持っているカードをすべて切った」形となっています。仮に今後、さらなるマーケットの混乱や想定外のことが起きたときに、「打つ手が限られるのでは?」という不安が出てきます。

 

NYダウの日足チャート 【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】
NYダウの日足チャート
【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】

 

この週末のニュースとして、WHO(世界保健機関)が、新型コロナウイルスの世界的な大流行の中心がヨーロッパになったという認識を示したことが伝えられています。実際のところ、中国の感染者数拡大は一服感が出てきている一方、イタリアのほか、スペインやフランスなどで状況が悪化しているようです。

 

これまでは、中国、韓国といったアジアのほか、イラン、イタリアに感染者が集中しており、他の国や地域では影響は限定的との見方が多かったです。これが、米国、カナダ、ドイツなどの主要国でも感染者が増えそうな兆候が出てきており、各国の当局、中央銀行が本腰を入れてきたのかもしれません。

 

ただ、これについては難しいところで、「世界が一致協力して、『コロナショック』に対応している」とマーケットがとらえればプラスの話なのですが、「世界が一致協力しなければならないほど、状況は悪化してきている」ととらえられたら、マイナスの話です。

「解釈するのに困ってしまう材料」が増えた格好に

週明けの東京市場では、日経平均株価は買いが先行してプラスでスタートしたものの、すぐにマイナス圏に沈み、再びプラス圏に浮上するといった、方向感の乏しい展開になっています。いわゆる「気迷い相場」です。

 

3月13日のNYダウ大幅高というニュースだけならば、週明けの東京市場も素直に買いが優勢の展開となるのでしょうが、FRBの緊急利下げや、これによって為替相場で米ドル円が急落というニュースが加味されたことで、多くのトレーダーは今週の相場見通しを計りかねているものとみられます。

 

また、日銀は今週18~19日に金融政策決定会合を予定していましたが、16日正午から前倒しで開催すると発表しています。すでに大幅な金融緩和を行っており、打てる手は限られるとの見方が多いですが、何が出てくるのか、そして、それを欧米市場で海外の投資家がどう評価してくるのか、わかりません。

 

もちろん、良かれと思って、世界中の金融当局者らが手を打っているのですが、むしろ「解釈するのに困ってしまう材料」が増えた形になっています。すなわち、一段と手がけづらい相場になったと言えそうです。

 

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