家賃<管理費?ダメ物件の罠にハマらないために【不動産投資】

老後に備えた資産形成の手段として、サラリーマンの間で「不動産投資」が注目を集めています。管理は業者に任せて、自分は働きながら不労所得を得られる…という夢のような話に、思わず食いつきたくなるところですが、そこには、不動産業者が「あえて言わない」真実が隠されているため、注意が必要です。※本記事は、不動産の資産管理・資産運用のプロである大村昌慶氏の著書『不動産投資の嘘』(幻冬舎MC)から一部を抜粋・編集し再構成したものです。

「高利回り」のウソ

利回りが良いので購入したが、蓋を開ければ空室だらけ。高利回りは嘘だった―そんな話をよく耳にします。

 

最近では、地主向けではなくて投資家向けの新築アパートも人気がありますが、そういった新築メーカーの収支シミュレーションには、やや甘い部分があります。

 

まず、家賃設定自体を高くして、表面利回りを上げています。新築の場合は、当然ながら全空で、誰も入居していないので家賃をいくらでも高く言えるのです。

 

また、実際に高くしても、1回目でしたら新築プレミアムがあるので満室になる可能性があります。新築物件には「未入居の新築の部屋に住みたい」という一定のニーズがあり、多少相場よりも高い家賃であっても、新築だからというだけで入居が付きます。

 

しかし一度でも入居したら、それは中古物件です。新築プレミアムは長くは続きません。

 

最悪のケースでは、竣工して募集したところ、その家賃ではなかなか入居者が付かずに、「結局家賃を下げざるを得なかった」という話もあります。

 

事前の説明で「〇%の家賃が見込める」と聞いていたのが、蓋を開けたら△%を切っていた―そんなことも起こっています。

 

長期的にはその高い家賃は見込めないにもかかわらず、見込みが甘い数値を見せて、投資家もそれを信じて買ってしまう。それは嘘ではないかもしれませんが、言葉通りに受け取ってはいけないことではあります。

 

地方の中古一棟物件でよく聞くのは、高利回りに見えて、修繕費やランニングコストがすごくかかるケースです。修繕費はどの物件にもかかるもので、中古物件では必ず起こり得るリスクですが、購入してすぐに給水ポンプ、エレベーターといった高額な設備が壊れたら悲惨です。

 

また、ファミリー物件では長期入居していた入居者が退去となると、居室が広いこともあり、多額の原状回復費用がかかります。もし、数室が続けて退去してしまえば、数百万円のリフォーム費用がかかることもあります。

 

しかも、直さなければ次の募集ができませんから、その資金繰りは急を要するのです。このように想定外の出費が続くことで収益を圧迫します。

 

積算評価が高い物件は固定資産税・都市計画税が高く、エレベーターが付いている物件は電気代や保守点検費用が高いものです。それらのコストを差し引いたNOI(営業純利益)で計算した利回りFCRが「真実の利回り」となります。

 

※FCR(真実の利回り)は、GPI(満室賃料)から管理費や清掃費用、固定資産税と
いったOpex(運営費)を引いたNOI(営業純利益)で計算した最終的な利回りのこと。

「NOI(営業純利益) ÷ 物件の購入価格 × 100 = FCR(真実の利回り)」で算出。

 

物件を判断する利回りは、表面利回りではありません。真実の利回りであるFCRで判断するようにしましょう。

株式会社ダイムラー・コーポレーション 代表取締役

1978年生まれ。2000年より日本国内の不動産業界に携わり、賃貸営業・賃貸管理・売買営業などを経験する。また個人投資家として自ら日本国内にて不動産投資物件を購入・運用する。その投資経験を広く知ってもらい、投資家の皆様と情報の共有を目的として、株式会社ダイムラー・コーポレーションを設立。投資不動産を中心に事業を展開し、国内外と制限を設けず、不動産・資産管理・資産運用の提案や相談に応じている。

著者紹介

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大村 昌慶

幻冬舎メディアコンサルティング

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