年々高まる、中学校受験への関心。特に名門私立中学校が集まる東京の受験熱は高まり続けているが、ひと口に東京といっても地域差は大きい。私立中学校への進学率が高いのはどの区なのか、ランキング形式で紹介する。

クラスの「5人に2人」が私立中学に進学する区は?

中学受験シーズンもほぼ終わり、ひと息ついた家庭も多いだろうが、来年度に受験を迎える家庭は、すでに臨戦態勢に入っているのではないだろうか。東京都教育委員会の『公立学校統計調査報告書』によると、平成30年度、都内の公立小学校を卒業したのは94,580人。そのうち、都内の私立中学校に進学したのは16,953人で、約18%が中学受験をクリアしたことになる。

 

過去5年の推移を見てみると(図表1)、都内公立中学校に進学した割合は、平成25年では81.8%だったが、平成29年に80%を下回っている。一方、都内私立中学校に進学した割合は、平成25年に15.9%だったのが、平成30年には17.9%となり、人数としては約2,000人増加している。今後、少子化が進むなか、「より質のいい教育を受けさせたい」という思いから、公立中学校ではなく私立中学校を選ぶ家庭は、さらに増えていくと考えられる。

 

出所:東京都教育委員会『令和元年度公立学校統計調査報告書』
[図表1]東京都における公立小学校における中学校種別進学の推移 出所:東京都教育委員会『令和元年度公立学校統計調査報告書』

 

さらに報告書を見ていくと、ひと口に東京都といっても、中学校の進学には地域差があることがわかる。そこで東京23区に絞り、公立小学校における私立中学校への進学状況を、進学率順に見ていこう。

 

■第23位~第11位
江戸川区 10.3%
葛飾区 11.4%
足立区 12.1%
墨田区 15.1%
板橋区 15.8%
練馬区 16.3%
大田区 19.3%
北区 20.1%
荒川区 22.70%
中野区 25.70%
江東区 25.90%
杉並区 29.00%
台東区 29.60%

 

東京都23区のなかで、私立中学校への進学率が最も低いのが江戸川区で、葛飾区、足立区と続く。3区はいずれも東京東部の外縁に位置し、私立中学校に通学するには不便という地理的な要素も、進学率に関係しているのだろう。

 

また区内に位置する私立中学校の数も、足立区1校、葛飾区3校、足立区2校と少ない。教育環境の面でも、受験をさせて私立に通わせる、というイメージのしにくい土地柄なのかもしれない。

 

第20位~11位は、クラスの4~6人に1人は私立中学校に進学するエリアで、山手線の外縁に位置する区が多い。荒川区には男子御三家の開成中学校、練馬区には武蔵中学校が立地する。また北区には10校、杉並区には9校もの私立中学校が立地し、中学校受験がより身近なエリアだといえるだろう。

 

■第10位~第6位

品川区 30.30%
千代田区 31.10%
豊島区 32.20%
新宿区 32.80%
世田谷区 33.70%
渋谷区 34.90%
中央区 36.60%

 

上位10位内になると、クラスの3人に1人は私立中学校に進学するエリアとなる。地理的には山手線内、東京都区南西部のエリアが中心だ。

 

千代田区には、女子御三家となる女子学院中学校や雙葉中学校といった名門中学校が多いほか、渋谷区には青山学院中等部、新宿区には早稲田中学校、豊島区には立教池袋中学校など、有名私立大学の付属校、系列校が点在。渋谷区の渋谷教育学園渋谷中学校、通称“渋渋”は、近年東大などの難関大学への進学実績を急速に伸ばし、注目を集めている。

 

■第3位

目黒区 38.5%

 

都内でも教育熱が高いとされる、東急東横線沿線の中心とする目黒区。池尻大橋から近い「東山小学校」は、昔から海外から帰国子女が多く通い、名門小学校としても知られている。

 

■第2位

港区 39.1%

 

男子御三家のひとつ麻布中学校や、慶應義塾大学の付属校である慶應義塾中等部など、名門校が点在する港区。「白金小学校」や「青南小学校」、「笄小学校」など、名門小学校と称される公立小学校も多く、中学校受験への対応も慣れている小学校が多い。

 

■第1位

文京区 40.4%

 

日本の最高学府のひとつ、東京大学のある文京区。その環境から教育熱は高く、クラスの5人に2人は私立中学校に進学する。「千駄木小学校」「誠之小学校」「窪町小学校」など、名門公立小学校が多く、中学校受験をしないほうが珍しいとされる学校も多い。

 

出所:東京都教育委員会『令和元年度公立学校統計調査報告書』
[図表2]東京23区公立小学校における私立中学校への進学率 出所:東京都教育委員会『令和元年度公立学校統計調査報告書』

中学受験を考えて引越すなら何区にする?

東京23区のなかでも、私立中学校の進学率を比較すると、一番低い江戸川区と一番高い文京区には30%ものひらきがある。江戸川区の公立小学校では中学受験をすることは少数派となり、文京区では中学受験をするのが多数派となる。中学校受験が一般的な地域のほうが、小学校の対応も慣れているし、学校生活も充実したものになるだろう。

 

「我が子の中学校受験のために引越しを」と考える家庭もあるだろう。その場合、どの区に引っ越すのがいいのだろうか。

 

東京23区の賃貸物件の平均家賃(3LDK以上、最寄駅から10分以内)を比較(図表3)すると、私立中学校への進学率トップの文京区は、27.44万円。一般的な会社員家庭では、難しい金額だろう。そのなかで進学率第8位の豊島区は平均家賃15.7万円と、一般的な会社員家庭の家賃として、十分に考えられる水準だ。またクラスの3人に1人は私立中学校に進学と、環境も申し分ないだろう。

 

出所:平均家賃、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(2月27日時点)、各駅より徒歩10分圏内の物件を対象とする
[図表3] 出所:平均家賃、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会調べ(2月27日時点)、各駅より徒歩10分圏内の物件を対象とする

 

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