不動産投資において、最大の関門ともいえる「融資」。本連載は、カーター校長として親しまれている河田康則氏の新刊で、2014年4月に刊行された『金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、融資交渉のノウハウなどをご紹介します。

融資条件に合わせて物件を変える努力が必要

今回は、銀行の融資方針の確認について見ていきます。

 

●事前に確認する融資方針

 

・物件を評価するときは積算なのか?

・収益還元なのか?

・その2つを合わせて割ったものなのか?

 

これを聞くことで物件の選択が変わります。収益還元で物件評価をするのであれば、収益還元が出る物件を、積算で評価をするのであれば、積算を重視する物件を提案する判断にします。きちんと評価を考えて不動産事業を考えていることが伝わりますので真剣に取り合ってもらえます。単に業者に紹介されただけの素人ではないことが理解されます。そこまで行ったところで、融資の原則に基づいてヒアリングを行います。

 

原則①「儲かりますか? キャッシュフローは出ますか?」

キャッシュフローを見る基準を確認します。銀行担当者があまり話に乗らず慎重に対応されたら、

 

あなた「キャッシュフローを見るのは、家賃の6割が月々の返済を4%で焼き直してみることが一般ですか? そのくらいを考えていたらいいですか? それとも独自の方針がありますか?」・・・と、確認しましょう。


銀行担当者「融資にお詳しいですね。当行は大体そのように考えていただいて結構です」・・・こう言われればいいですね。


銀行担当者「それに近いですが、少し違います」・・・その場合は、もう少し突っ込んで、


あなた「私は、不動産融資実績のある優秀な担当者であるYさんから、融資をお願いしようと来ています」・・・心より誉める。事実ここへは不動産業者の紹介で良い銀行担当者の条件をクリアしている人なので来ています。


あなた「ぜひもう少し詳しく教えていただいて融資の条件に合うものを持参して融資を実行できるようにしますので、もう少し詳しく教えてください」

 

銀行は本当のところは仕事ですから、融資したいのです。「条件に合う物件を持ってきてくれるのなら」と話してくれます。親しくなった銀行担当者と話していて一番困るのが物件が融資条件に合ってなくて融資できないのに「融資を付けてほしい」とか「フルローンを付けてほしい」とか言われることだそうです。本人の属性はすぐには変えることはできませんが、物件は努力すればすぐに変えられます。

純資産と負債の比率に厳しい銀行は融資も厳しい

原則2「資産超ですか? 債務超過ではないですね?」
物件を評価する際に、今回の購入予定物件とすでに所有する物件の評価の仕方が違うときもあります。「今回の購入予定物件は収益還元で、既存物件は積算評価で」という銀行もあるので確認します。

 

「資産超であれば、とりあえず稟議に乗るのか。あるいは純資産と負債の比率をある程度厳しく見るのか」・・・この点をとくに注意して聞きます。

 

「とりあえず稟議には乗ります」・・・この答えでは、融資はそんなに厳しくはありません。「純資産と負債の比率をかなり見ます」・・・この答えでは、融資は厳しいです。

 

同じ銀行でも、融資を受ける年により方針は変わりますので、融資が比較的出ているのか締めているのかの判断材料になります。具体的な比率は銀行も話したくない場合が多いので、これ以上は話を突っ込む必要はありません。

 

原則3「経営できますか?」「属性は問題ないですか?」
「経営できますか?」とは、誠実に、正義に則って利益を出し続けることができるのかが問われています。つまり、空室になったときに対応をしっかり考え、金利が上昇したときはどのように対応をして不動産物件を経営していくことができるのかです。

 

「属性」とは勤務先、勤続年数、年収、家族構成などです。これはなぜ必要かというと原則1に当てはめるとわかりやすいでしょう。勤務先、勤続年数、年収は安定した収入がどれだけあるかであり、家賃収入と似ています。家族構成を問うのは、配偶者や子供を養うのにどれだけ年収から費やしているのかであり、いわゆる経費を引くことです。

 

このように銀行の融資方針が理解できたところで、それに合う物件の条件がリストアップできます。そして、その条件に合う物件を持ってきたとき、いくらまで融資できるのか、融資の稟議に乗るのかを確認します。

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    本連載は、2014年4月11日刊行の書籍『金利1%台で融資4億円を引き出す不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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