経済産業省の取り組みにより注目が集まる「健康経営」。健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することと定義され、「国民の健康寿命の延伸」を目的として、企業の取り組みが期待されている。ボディスタイルプロデューサー・社員自走型健康経営アドバイザーである田中素美氏が解説する。

「健康で美しく若くなること」が企業最強の投資に

◆あなたは健康への支出はコストだと思っていますか?

 

社員の健康は経営資産。人の健康は国の繁栄資産。

 

2020年、輝かしい日本の経済力が遠い昔話になって久しいです。残念ながら、日本人が他国に出稼ぎにいく時代の到来は、このままでは現実化するでしょう。経営者の方はすでにお気づきのことと思います。

 

健康に関する支出はコストだと思っているうちは、企業にも国にも発展はありえません!

 

古い固定観念というOSを、根こそぎアップデートするときが来ているのです。企業の「健康経営」による正しいダイエットが、日本の経済力を取り戻すカギになるでしょう。体と経済はリンクしています。経済はAIではなく、生⾝の人間が回しているからです。

 

◆ダイエットで企業を救える深いワケ

 

いきなりですが、食事も運動も自分のやりたい方法で健康が⼿に⼊ると思いますか?

 

実は、これはとても⼤事な質問です。なぜなら、好きなようにしたいという心理はわかりますが、そのやり方があっているとは限らないからです。⼩学生でもわかりますが、間違ったやり方で結果は出ません。途中までうまくいったとしても、必ず袋⼩路に⼊ります。

 

体の健康は、美しさと若さをおまけとして、あなたにもたらしてくれます。企業の健康は、利益と発展をおまけとして、あなたの会社にもたらしてくれます。人間のカタマリが企業ですから、健康な社員が増えたなら自ずと生産性が上がり、企業のみならず社員も利益が増えるのです。

 

◆健康投資を成功させるポイントは「魚の釣り方」にある!

 

それはなぜなのか?

 

健康と美容の観点から見ると、とてもわかりやすく、体は放っておけば劣化します。自然の老化はいいのですが、整備不⾜による劣化は危険極まりないのです。

 

健康診断したり、人間ドックへ行ったり、薬を飲んだり、健康食品に頼ったり、メンタルチェックを受けたり、スポーツクラブへ行ったりです。どれもダメではないのですが、これらは「魚を与える」方法にすぎません。自分で自分の体を健康にするマネジメント力がついたわけではないので、体の劣化は⽌められないのです。

 

体の整備とは、生活習慣の改善です。整備方法がわかれば何も恐くはありません。しかし、「知らない」というのは罪作りです。体は何兆円でも買えない素晴らしい資産なのに、自ら運⽤できないわけですから。

 

金融投資で⼀番の間違いとは何でしょうか。それは、人任せです。投資というのは、自分の責任でお金を投げて運⽤していくものです。実は、体の健康もまったく同じです。にもかかわらず、体を人任せにしている人がかなり多くいるのです。

 

「魚の釣り方」を知り、自ら健康をマネジメントできるようにしましょう。企業での健康経営は「社員自⾛型」が⼀番いいという私の考えはこれに基づきます。

運動だけでは痩せない!食事が最強のファクター!

◆ワクワクはもっとも重要な行動への感情!

 

生活習慣を変えよう! 健康のために痩せよう! 老けないようにサプリで栄養を補給!

 

さて、こういわれてワクワクしますか? なかなか、感情は動かないのではないでしょうか。

 

なぜ、ワクワクしないのか? それは、何をどうしたらよいのか、なぜ体が変わるのか、その関係性がわからないからです。やれないやらない理由を見つけるのは、⼤人のあなたはとても得意なはずです。

 

まずは、あなたの人生の健康面の目標ありきです。健康であり続けたい、引き締まった体でいたい、美しくいたい、好きな服を着たい、美味しいものをずっと食べたい、行きたいところに自分の⾜で行きたい、モテたい!

 

最後の「モテたい!」は、人間のいちばん⼤事なモチベーションです。異性同性にかかわらず、人からモテるということは自⼰承認に強くつながります。これ、ワクワクしませんか?

 

◆運動で痩せることはない!

 

8割の影響を与えている生活習慣は、10個にカテゴライズするとバランスを取りやすいのです。私が提唱する『テンハビッツ(Ten Habits)』は、それを自分でマネジメントする力を⼿に⼊れるメソッドです。そのなかで、三⼤習慣でもある運動と食事を取り上げましょう。

 

運動でダイエットしよう、筋肉つけよう、運動で若くいよう、とする人は多いと思います。これ自体間違いではありませんが、どうもうまくいっていない方が多いようです。

 

運動の役割は、筋肉と骨を強化し、100歳まで美しさと若さを保ちます。心肺機能も向上し、代謝も上がり、ストレスを発散できて、肌の調⼦もよく、循環がよくなるのでホルモンのバランスもとれます。自律神経のバランスを取るにはもってこいなのです。

 

毎朝のラジオ体操やストレッチで固まった体を開放し、週2、3回の30分から1時間の運動で運動の効果を⼿に⼊れてください。これが平均的運動量です。もっとやりたい人はやり方をご相談ください。

 

しかし、運動で痩せることはありません!

 

痩せるというのは、体のバランスが整ったときに起こる現象だからです。10個の生活習慣のバランスが取れないと、体もバランスよくならないのです。つまり、運動ばかり頑張ったって痩せないし、下手をすると健康を害します。

 

痩せるには「生活習慣のバランス」が重要
痩せるには「生活習慣のバランス」が重要

 

◆食事でキレイでしなやかな体になろう!

 

ここで最強のパートナーは食事です。食事は体の材料仕⼊れで、毎日50種類ほどの栄養素という材料が必要です。ベジタリアン、肉食崇拝など偏った食事は、いずれにしても宗教的であり、これらの方法を継続してしまうと体が必要としている栄養素は整いません。食事が偏ると生活も心も乱れてきてしまいます。さらにいえば、仕事にも影響は出ます。

 

私はかつてひどい食事をしていました。肉や揚げ物やポテトチップスをよく食べていたので、筋肉がガチガチで肌が荒れがちでした。循環の悪い体を作っていたのです。自らの⾝体を変え、延べ13000人以上の体も変えてきましたが、食事を改善しないで健康に美しくなった人は見たことがありません。

 

まずは、野菜を2、タンパク質は1、というざっくりバランスでよいです。穀類は糖質を多く含むので、よく食べている人は夜の穀類をはずすことからスタートです。

 

ダイエットには、食事が多くの影響を担っています。1年で1000回以上ものチャンスがあります。ですから、少しのことでもバランスを取るためにやり続けると、体は見事に変わっていきます。好きなものを嫌いにならずに減らすこともできますから、ワクワクが⽌まりません! 食事でキレイにもしなやかな体にもなってしまいましょう。

 

企業にとって健康経営は命への投資です。ゆっくりですが⼤きなリターンを生む投資です。社員と企業が相思相愛になり、健康や利益を享受することができるのです。これが理解できない経営者の企業は地獄です。どうかそれに気づいて、総務人事、経営陣の方々は「社員自⾛型」健康経営を取り⼊れてみましょう。2020年、オリンピック後も邁進できますように。
 

 

田中素美

ボディスタイルプロデューサー/社員自走型健康経営アドバイザー/ジェロントロジスト/Origin&Beauty代表

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