新型コロナで得体の知れない「不安」の正体とは?
◆パンデミックに対する正しい理解で、正しい行動を!
3月11日、WHO(世界保険機関)のテドロス事務局長が定例記者会見で、今回の新型コロナウイルスに対して「パンデミック(世界的な大流行)」という表現で警告を行いました。世界中に感染者が広がり、各国に対して警戒と対策を一段と促す目的と報じられています。
これは、終息に向けて冷静に行動しましょうという呼びかけでもあるのです。人類は今までに、多くのウイルスとの闘いに勝ってきています。まずはその事実を再認識しましょう。その証拠に、私達は今、ここに生きています。
そうでなければ、おびえたり慌てたりして正しい行動ができす、あなた自身が世の中に不安をまき散らす人になってしまいます。怖いのは、不安やフェイクニュースの拡散で、意味のない混乱を招くことです。
◆人間の心理は「得体の知れないものに不安を感じる」
人間は、得体の知れないものや不確かなものに「不安」を感じます。インフルエンザのほうが新型コロナより致死率が高いにも関わらず、なぜ人々は新型コロナにインフルエンザよりも恐怖を感じるのかと言えば、⼼理的には仕方ないこととも言えます。
経営者であれば、社員の健康は大丈夫だろうかとか、健康を損なった社員が世の中にウイルスを巻き散らかしたりしないだろうとか、会社全体にウイルスが拡散しないだろうかとか、心配でしょう。もちろん、収益の減少に対する不安もあると思います。
しかし、このようなウイルスによる健康や経済への不測の事態は、2000年以降の20年間でも何度かあり、私たちは乗り越えてきています。SARSコロナウイルス、豚インフルエンザ、MERSコロナウイルスなどです。
ここで気づいてほしいのは、今回の新型コロナウイルスは「9・11」やリーマンショック、チャイナショックとは異なり、「一人ひとりが健康であれば自ずと防げる」という点です。
得体の知れない不確かなものへの不安が背景にあるのです。この点に気づいて、冷静に行動していきましょう。
◆カラダの免疫力に自信はありますか?
自分自身の健康について考えてみましょう。健康を害した時、自分の責任を棚に上げて、何かのせいにする人は多いのではないでしょうか。
あなたの体はあなたの預かりものです。つまり、体を会社とするならば、あなたは死ぬまでその会社の社長です。しかし、多くの人は体だけでなく心も含めて、自分の健康への責任感がとても薄いように思います。
健康は自分で作り、守り、維持していくものです。それができていれば、ウイルスに負け
ない体を作ることが可能です。よほどの劣悪な状況でない限り、負けることはありませ
ん。人間の持つ免疫という能力は向上や改善が進んでおり、その結果として長い間、人類は子孫繁栄を続けています。
私も生身の人間ですから、健康予防美容のプロと言っても、ウイルスが体に入ってくることもあります。しかし、免疫が機能しているため、この20年は負けていません。
体の免疫力を高めていれば、恐るるに足らずなのです。「希望」はここから生まれます。
「うがいと手洗い」で新型コロナの感染を防ぐ
◆「うがいと手洗い」を日頃からしていますか?
重要なのは、「当たり前の衛生予防を日常の中で実践してきているか」ということです。これにより、あなたの免疫力は強いまま維持できるでしょう。
私たちは子どもの頃から、「外から戻ってきたら手を洗いなさい」、「うがいをしなさい」と言われてきました。それを毎日できていれば、風邪をひくようなことはありません。冬になれば風邪はひくものと思っている方がいるとすれば、それは大間違いです。
今回の新型コロナウイルスも、この「うがいと手洗い」で防げます。加えて、咳やくしゃみを飛沫させないことや、皮膚接触を控えることが重要であり、厚生労働省からも発表されている話です。
今まで習慣にできていなかった人は、これを機に毎日「うがいと手洗い」を行いましょう。そして、食事や運動などすべての生活習慣を見直しましょう。
◆本気で「社員の健康は経営資産」と認識したら未来の希望は見える!
経営者の方の中には、社員は自己責任で健康になればよいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。果たして、そうでしょうか?
本来であれば、社員の一人ひとりが意識を高めて、自分の健康を管理していくことが望まれます。しかし、多くの方はそのような「教育」を受けてきていません。親や先生は「正しい」体のマネジメント方法を教えてくれません。
わかっていない大人がなんとなく、「自分の健康を管理しましょう」と言っているだけですから、できる人が増えないのは当たり前と言わざるを得ません。残念ながら、これが現実なのです。
企業は社員の集合体です。社員が能力を発揮できてこそ、生産性が上がり、収益も上がり、社内環境もよくなります。健康でなければ、社員は能力を発揮できません。体の調子が悪ければ、その人はイライラしますし、他人に優しくもできません。
社員の健康に関して、社内環境を整えるだけでなく、健康になるための教育を進めるべきと考えています。国だけではなく企業にも、健康教育に対する責任があります。それが、2014年にやっと日本も重い腰を上げた「健康経営」なのです。
これも間違った取り組みでは、一人ひとりができるようにはなりません。健康診断やメンタルケアもよいのですが、「体をマネジメントできるようになるための研修」を企業で取り入れることは、大いに価値のあることでしょう。
企業が取り組むべき未来への行動は、「社員の健康への教育」なのです。「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を伝える取り組みを始める」ことが重要です。
今からでも遅くはありません。不測の事態にも揺るがない体力のある企業にするために、今すぐ行動しましょう!
田中素美
ボディスタイルプロデューサー/