早期留学で差がつく「ジュニア・ボーディングスクール」の魅力 若い年齢から集団行動のなかでリーダーシップや自主自立を育むことは、その先の進学にも大きなメリットをもたらす(The Fessenden School)

キャンパス内に寮を有し、学業だけでなく、共同生活を通じて社会性の育成までをサポートするボーディングスクール。多様性を重要視する富裕層が、我が子を通わせたいと注目しています。本記事では、SAPIX YOZEMI GROUPの海外事業開発部長・髙宮信乃氏が、その実情について解説します。

「24時間年中無休」体制でパーソナルなケアが施される

ジュニア・ボーディングスクール留学について、お子様のグローバルな活躍を願う教育熱心なご家族からのお問い合わせが近年増えています。本連載の第4回記事(関連記事『北米ボーディングスクールの「スゴイ」テクノロジー教育とは?』参照)でもテクノロジー教育に関連してご紹介しましたが、小学生から単身留学が可能なアメリカのジュニア・ボーディングスクールにはどのような魅力やメリットがあるのか、解説していきましょう。

 

ニューイングランド地方を中心に、全米で11校しかないジュニア・ボーディングスクールでは、一般的に7年生(中1生)から9年生(中3生)までの生徒が在籍していますが、なかには小学校低学年から受け入れを開始する学校も存在します。

 

セカンダリー・ボーディングスクールが名門大学進学への登竜門として存在するように、ジュニア・ボーディングスクールは名門10校 “Ten Schools” をはじめとするトップレベルのセカンダリー・ボーディングスクールへ生徒を輩出する役割を担っています。

 

例えば、1903年に創立され、ジュニア・ボーディングスクールのなかで最も長い歴史を誇る男子校のフェゼンデン・スクール(The Fessenden School)は、名門フィリップス・エクセター・アカデミー(Phillips Exeter Academy)への進学準備のための学校 “Feeder School” として設立されるなど、歴史的に密な関係がある学校も珍しくありません。

 

ジュニア・ボーディングスクールの最大の魅力は、高校生としてセカンダリースクールに進学する前に、セルフマネジメント能力を育成できる点です。高校では入学時から自立した生徒であることが求められますが、ジュニア・ボーディングスクールでは生徒と先生の距離がより近く、卒業後の高校生活において成功するためのスキルを養成するために、より細かでパーソナルなケアが、まさに「24時間年中無休」体制で施されます。

 

学業面では、その年齢の生徒たちの指導経験が豊富な先生から、効率よく課題に取り組むためのコツを日々伝授されます。科目でわからない部分があれば、放課後やスタディーホール(夜の自習時間)、週末の時間なども利用して完全に理解するまで教えてくれますし、そのような環境のなかで過ごすことで、生徒は自信がつき、発言や質問することへの抵抗や恐怖心がなくなります。

 

生活面では、毎朝自分で時間通りに起きて身支度を整えることや、限られた1日の時間のなかでいかに勉強やアクティビティーを両立できるようタイムマネジメントするかまで、先生たちのサポートの下、共同生活を通じて自然に自己管理能力や自立心が磨かれていきます。多感な時期にだからこそ起こり得る小さな精神面や身体面の異変も見逃さず、先生たちが寄り添ってくれる環境は、親御さんにとっても安心できる要素です。

 

The Fessenden Schoolと共に名門ジュニア・ボーディングスクールとして知られる、Fay School(共学校)のキャンパス
The Fessenden Schoolと共に名門ジュニア・ボーディングスクールとして知られる、Fay School(共学校)のキャンパス

セカンダリースクール進学時、大きなアドバンテージに

留学生にとっても、早い時期からの留学は大きなメリットがあります。異文化をより深く理解し、日々の留学生活に余裕が生まれることはもちろんですが、ESL(English as a Second Language)プログラム(留学生を対象にした英語支援プログラム)を通じて、授業で求められる英語力や発言力を身につけることも可能です。

 

ジュニア・ボーディングスクール在籍中にESLを卒業できれば、セカンダリースクールに進学する際、自信を持って現地アメリカ人と同じスタートラインに立てるのです。高校での成績は大学出願の大きな要素となるため、高校入学時に良いスタートを切れることは重要です。その点、準備万端でセカンダリースクールに進学できることは、英会話や異文化への理解もままならない状態で初めて日本から来る状況と比べると、大きなアドバンテージといえるでしょう。

 

セカンダリースクールとの強い繋がりも重要なポイントです。“Feeder School”と称せられるだけあって、セカンダリースクールで求められる学力やスキルを育成するプログラムが充実していることに加え、どのジュニア・ボーディングスクールも進学先との幅広いネットワークを構築しています。信頼される先生が書くセカンダリースクール宛の推薦状は、難関校進学の大きな後押しとなります。

 

また、地理的に近いこともあり、多くのセカンダリースクールが学校説明会のため毎年ジュニア・ボーディングスクールを訪れますし、逆に生徒側から興味のある学校を訪問し、積極的にアプローチすることも比較的容易です。

 

ジュニア・ボーディングスクールの合格を勝ち取り、今秋からの進学が決まった生徒の保護者は、その決断に至った経緯について次のように語っています。

 

「若い年齢からコンフォートゾーンを抜けて厳しい環境に身を置くことで、精神的にも鍛えられると思い、ジュニア・ボーディングスクール進学を決意しました。息子には、自立することももちろんですが、多様な環境のなかで新たな文化を学び、リーダーシップを養って欲しい。大学もアメリカへ行かせたいと思っており、早くからアメリカ文化や生活に慣れ、セカンダリースクール進学前に英語力を習得できることにも魅力を感じました。これからの世界を背負う子どもたちの能力を存分に引き出し、若きリーダーやイノベーターの種になるような人材育成に期待しています」

 

若い年齢からお子様を海外に送り出す勇気や決断は決して容易なものではありませんが、その経験を通じて得られるメリットのほうが大きいと感じられたようです。

 

中学生の年齢では、多感であるが故に様々な誘惑に惑わされる生徒や、将来学びたいことや熱中できるものが定まっていない生徒もいるでしょう。人格形成の発展途中であるこの時期に、多様なバックグラウンドを持つ世界中の生徒たちや、先生のご家族を含む人生経験豊かな大人と、キャンパスという一つのコミュニティーのなかで寝食を共にすることは、日々大きな刺激となります。

 

そしてその刺激が、日本では気づきえなかった情熱の矛先を発見するきっかけとなり、その後の進路や将来の成功に繋がることこそがジュニア・ボーディングスクールの最大の魅力です。若い年齢から挑戦することや失敗を恐れないメンタルを身につけ、小さな成功体験を積み重ねられる経験は、将来リーダーとしてグローバルに活躍する上で欠かせない要素となることは間違いないでしょう。

 

 

SAPIX YOZEMI GROUP 海外事業開発部長

Triple Alpha 副会長

髙宮 信乃

 

SAPIX YOZEMI GROUP 経営管理室 海外事業開発部長
学校法人髙宮学園 代々木ゼミナール評議員 

幼少期をパキスタン、香港、インドネシア、米国、スーダン(現・スーダン共和国、通称北スーダン)、オーストラリアで過ごし、1999年米ニューヨーク大学卒業後、MBAを取得。
アーサーアンダーセン税務事務所、リーマンブラザーズ証券会社を経て、2011年からSAPIX YOZEMI GROUPの幼児教室事業に従事し、2014年に海外進学部門のY-SAPIX Global Campus(YGC)を立ち上げ、ゼネラルマネージャーを務めるほか、株式会社ベストティーチャー副社長、Triple Alpha, Inc.副会長などを兼務。3児の母。

著者紹介

連載SAPIX YOZEMI GROUPの海外事業開発部長が解説!世界の富裕層が我が子を通わせる「北米ボーディングスクール」の魅力

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