2021年に入ってからも新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、1月下旬の段階でアメリカの累計感染者は2,500万人を超え、世界最多となっています。多様性を重要視する世界中の保護者が、我が子を通わせたいと注目する「ボーディングスクール」では、どのような感染対策を行っているのでしょうか。本記事ではNYに本部を置くTriple Alphaスタッフによる取材に基づき、現地の最新情報をSAPIX YOZEMI GROUPの国際教育事業本部長兼 Triple Alpha副会長の髙宮信乃氏が解説します。

感染者数増加の北米、学校で実施している「対策」は?

2020年の夏から秋にかけ、特にアメリカ東海岸で落ち着きをみせていた新型コロナウイルス感染者数は、大統領選のラストスパートも相まって10月後半から増加の一途を辿っています。

 

9月の新年度に対面授業を再開したアメリカ(その多くは東海岸)のボーディングスクールでは、夏休みをかけて準備してきた対策が功を奏し、多くの学校で9月・10月は校内での感染者ゼロを保っていたものの、11月以降は幾つかの学校から数人の陽性者報告を受け取るようになりました。

 

もちろん、新学期以降、感染者を一人も出していない学校もありますが、それらの学校が特別の対策をしているかというと決してそうではなく、州ごとの感染状況、全校生徒に対する寮生の割合(寮生が多いほうがコントロールしやすい)、学校の立地(都市部か郊外か)など、学校側でコントロールしにくい要素のほうが大きく働いていたように思います。

 

12月、留学サポート会社であるTriple Alphaの現地スタッフが、ニューヨーク州、コネチカット州、マサチューセッツ州の学校を訪問しました。

 

ああああああ
マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保が徹底される中での学校訪問(Berkshire School)


ボーディングスクールでは通常、11月後半の感謝祭休暇終了後、2~3週間の授業を行ってから冬休みに入ります。ただ本年度はアメリカ国内の感染拡大を受け、多くの学校が感謝祭休暇後の期間を完全オンライン授業に移行することを決定し、留学生を含めたほとんどの生徒が自宅から授業を受講することになりました。

 

今回訪問したのは、生徒不在の静かなキャンパスではありましたが、ソーシャルディスタンスを確保した教室や食堂での机の配置や、至るところに設置された消毒液は当然のことながら、陽性者が出た場合を想定し、その隔離施設を新たに建設したり、スポーツ施設にライブストリーミングのためのカメラを設置したりするなど、各学校の取り組みを直接確認できたことは大きな収穫です。

 

ああああ
(左)消毒液とマスク、ソーシャルディスタンスを促す掲示(Berkshire School)・(右)キャンパス内の隔離施設(Millbrook School)

 

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