武蔵小杉の一件以降、何かと話題になっている「タワーマンション」。庶民にはうらやましく感じられていたその暮らしですが、実情はもっと複雑なようです。株式会社未来投資不動産代表取締役社長・川嶋謙一氏が、「タワマン」の実情について解説します。

 

簡単に作れないとなると、現在の超高層マンションに希少価値が付いていくと予想されます。地上50~60階は高いところが好きな人にとっては魅力的ですし、そこからの眺めはまさに1000万ドルの価値があるでしょう。

 

また、エントランスのセキュリティ、受付のコンシェルジュ、24時間有人管理及び警備のほか、24時間営業のスーパーを擁しているマンションもあります。フィットネスクラブ、サウナ付き大型スパやビューラウンジ&バーなどの共用施設も充実しているとのこと。バレーパーキングサービスのあるホテル兼用のハイブリッドマンションもあります。こんなすばらしい超高層マンションの価値が高いのは当然です。

 

こんな素敵なタワーマンションですが、欧州諸国では高層マンションを規制しているとのこと。たとえばイギリスでは妊娠や子育て世帯の低層住宅居住を推進しています。高層だと外出回数も少なくなり運動不足になったり、子供も外出しない内向的なひきこもりになったりするというのがその理由だそうです。それ以外にも、高層階では体に感じ取れない微妙な揺れが常に発生していて、それが乗り物酔い状態を引き起こすこともあるのです。

 

地震の多い日本の建築物、とくに高層ビルは地震が起きても柳のようにしなやかに揺れて地震の揺れを吸収する構造になっています。耐震や制震構造は揺れを押さえこむことができ、免震構造は振動を伝えない設計になっているのですが、もし60階の部屋で震度6の地震が来たらと考えると、ぞっとして夜眠れない気分です。まだ住んだことはありませんが、いずれは私もタワーマンションで日本の建築技術のすばらしさを体感したいと思っています。

誰も知らない不動産屋のウラ話

誰も知らない不動産屋のウラ話

川嶋 謙一

幻冬舎メディアコンサルティング

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