英語番組に頻出する「幼児語」…子どもに影響はあるか?

子どもをバイリンガルにするためには、英語と常に触れていることが大切です。子ども向けの番組や教材には「幼児語」がたびたび登場しますが、子どもの英語力に影響を及ぼすことはないのでしょうか。本連載は、幼児英語教育研究家である三幣真理氏が、国内の一般家庭で子どもをバイリンガルに育てるための家庭習慣を紹介します。

「一日中ずっと英語に接する」というわけではなく…

下手に親がカタカナ英語で話しかけるよりも、寝る前に絵本を見ながら英語の読み聞かせCDを聞いたり、英語の映画やアニメを親も一緒に見たり聞いたりしてあげるほうが、子どもの英語の吸収力は高まります。

 

英語が苦手な親でも、一度日本語で読んだり見たりしたことのあるお話であれば、内容を推測することができ、おもしろいところで一緒に笑ってあげることができます。親と一緒に楽しんだという記憶を持つことで、子どもの頭の中に、英語の楽しさはよりいっそう強く残るのです。

 

一日中ずっと英語に接していなければいけないということではなく、1日2〜3時間日本語の本や映画・アニメを楽しんだら、2〜3時間は英語の本や映画・アニメの時間を必ず持つようにする。そして、幼稚園や保育園で日本語に接してきたら、同じくらい家庭で英語を浴びせるようにします。

 

英語・日本語どちらかに偏るのではなく、バランスよく接する時間をつくるようにすることが大切です。

 

とはいえ、連休中や長期休暇などの1日に「今日のエンターテインメントはAll English Dayにしよう!」と決めて、丸1日英語漬けにする日をイベントのように設けるのもよいでしょう。

 

子どもの様子を見ながらにはなりますが、私の娘の場合は、アニメのDVDを3話ずつ3セットで見せるとほどよく、飽きずにフレーズを覚える効果がありました。

 

そして、子どもが話を理解できたり、自分で絵本を読めるようになったら、「すごいね」「よくできたね」とほめてあげてください。勉強ではなく、遊びながら英語に親しむことが目的なので、できないからといってしかる必要はありません。

 

ネイティブスピーカーの子どもも、最初からきれいに発音できたり、言葉を間違えずに覚えたりすることができるわけではありません。正確な英語を聞いているうちに、間違いは自然に矯正されていきます。

 

日本語を身につけるのと同様、急に英語で話し始めるようになるというわけではありません。毎日少しずつ、じっくり取り組むことが大切です。

 

「好きだから見たい、聞きたい」と思うことが大切

子どもは同じものを繰り返し見たり読んだりしたがるものです。毎晩日本語の絵本の読み聞かせをしてあげるだけでも大変なことですが、絵本の英語CDをずっと一緒に聞いてあげるというのは、それなりに忍耐を必要とします。

 

物心ついて自分の好きな本やテレビを選べるようになると、「英語のはイヤ」「ほかのがいい」と言い出すこともあるかもしれません。

 

そういったときは無理強いせずに、子どもの興味が自然に戻ってくるのを待ちましょう。親のほうが英語の絵本やアニメを楽しんでいる様子を見せれば、好奇心から関心を示すかもしれません。

 

また、サッカーや野球、おしゃれやクッキングなど、子どもが成長するにつれ興味を示すようになるものが出てきたら、それを題材にした英語の本やアニメなどを見せてあげるという方法もあります。

 

「やらなければならないからやる」のではなく、「好きだから見たい、聞きたい」と思ってもらえるようにするのです。

 

筆者も自分の娘に英語に触れてもらうときは、最初はずっとつきっきりで本を読んだり映画を見たりしていましたが、さすがにこれは疲れるものです。親も自分の好きな本を読んだりして息抜きの時間を持つことが長続きのコツです。

 

子どもはやがて自分から本を選んだりアニメを選んだりするようになります。そのとき、「英語」「日本語」ということを意識せず、「好きだから」という理由で、使われている言葉を意識せずに選べるようになるといいでしょう。

幼児語で学んでも、自然と年齢相応の英語に変化する

日本語には「よちよち」「ねんね」など、赤ちゃんに対して使う独特の幼児語があります。「英語圏の子どもが使う本やテレビを見て育つと、英語でそういった言葉を使うようになっていくのでは」と思われるかもしれませんが、英語の幼児語は、日本語ほど目立つものではないので、心配しなくてもよいでしょう。

 

ご参考までに、英語圏の子どもが使う幼児語を、以下の図表で紹介します。子ども向けのテレビ番組などを見ていると、ときどき登場する単語ばかりです。

 

[図表]英語の幼児語の例

 

基本的に単語単位の変化で、日本語のように「・・・でちゅね」「・・・しましぇん」といったような変化はありません。助動詞や動詞は大人と同じように発音するので、子ども言葉が残らないのです。

 

さらに、こういった英語圏の子どもが使う幼児語は、日本の子どもと同様、年齢とともに消失します。日本で育って英語で話している場合も、興味の対象が変わって普段見るテレビや映画が異なっていくにつれ、次第に消えていくでしょう。

 

 

三幣 真理

幼児英語教育研究家

 

幼児英語教育研究家

ヒューストン生まれ。4歳で日本に帰国したのち、12歳でカナダへ。慶應義塾大学理工学部入学後、環境情報学部へ転籍。フランス語(第一外国語)、イタリア語(第二外国語)を学び、語学への理解を深める。卒業後は、日本アイ・ビー・エムシステムズ・エンジニアリング株式会社勤務、フリーランスで翻訳・通訳の仕事に携わるほか、日本の英語教育学者の第一人者である東京大学名誉教授の岡秀夫教授に師事。
現在は、敬愛大学でSkype英会話の講師を務めるほか、幼児英語教育研究家として子どもたちの英語教育に携わる。日本人男性との間にもうけた一女をバイリンガルに育て上げた。

http://life-produce.jp/

著者紹介

連載猛勉強してもなぜか「バイリンガル」になれない日本人

バイリンガルは5歳までにつくられる

バイリンガルは5歳までにつくられる

三幣 真理

幻冬舎メディアコンサルティング

グローバル化が叫ばれている昨今、世間では英語力が問われる風潮になりつつありますが、日本の英語力は依然として低いまま。 学校での英語教育も戦後間もない頃からのスタイルとほとんど変わらないのが現状です。 そのためか…

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