家遊びを工夫して、わが子を「バイリンガル」にする方法

子どもをバイリンガルに育てたくても、留学やインターナショナル・スクールという選択肢はなかなかハードルが高いのではないでしょうか。しかし、お金をかけることなく、家庭内に「英語環境」を築く方法があります。本連載は、幼児英語教育研究家である三幣真理氏が、国内の一般家庭で子どもをバイリンガルに育てるための家庭習慣を紹介します。

CD付き絵本、DVD、アニメなどをすべて英語に

子どもをバイリンガルに育てたいといっても、どこの家庭でもインターナショナルスクールや、英会話教室に通わせるだけの学費が出せるというわけではありません。

 

しかも、両親は英語を流暢に話せるとはいえないともなると、子どもをバイリンガルにするためには、途方もない努力が必要になると思われることでしょう。

 

しかし、高い資金を投じて海外留学をさせたり、英会話スクールに通わせたり、スパルタで英語教育をさせなくても、英語を話せない両親が、子どもをバイリンガルに育て上げることは可能です。

 

日本で暮らす人がバイリンガルになるためには、いつでも英語に触れられるよう、家の中に英語環境をつくることです。

 

子どもが小さいころには、家の中に絵本やDVDがあり、テレビやインターネットでアニメを見たりすることでしょう。それを、英語で行えばいいのです。

 

今は、英語のCD付きの絵本が、街中の書店や洋書店、インターネット書店で手軽に手に入ります。英語アニメのDVDやテレビの2カ国語放送もありますし、インターネットではさまざまな英語の動画を見ることができます。スマートフォンやタブレットPCのアプリを利用するのもいいでしょう。家の中で普段接する言葉を英語にするのは、それほど難しいことではありません。

 

家庭で親子一緒に、CD付きの絵本、映画やアニメのDVD、テレビの英語番組、インターネットの動画などを使って、家庭の中に英語環境をつくることです。

登場するネイティブスピーカーが、そのまま先生になる

使用する本やビデオをきちんと選べば、ネイティブの使う良質な英語を豊富に聞いたり読んだりすることができます。家庭内で親子一緒にいる時間を使えば、英語に触れる時間が限られることもありません。質のよい英語に、無限大に触れることができるのです。

 

費用もCD付きの絵本やDVDは1000円〜数千円程度。テレビやインターネットは、家庭にあるものを利用すれば余計なお金はかかりません。

 

「先生がいなくても大丈夫?」と思われるかもしれませんが、CDやDVD、テレビに登場するネイティブスピーカーたちが、そのまま先生になってくれます。親は英語に触れる機会をつくってあげるだけでよいのです。親が流暢に英語を話したり、英語を教えてあげたりする必要はありません。

 

親子で楽しめる教材を使い、勉強を「遊び」に変えよう

①英語読み聞かせCD付き絵本

 

『おさるのジョージ』『はらぺこあおむし』など、英語を原作とする絵本には、読み聞かせが収録されたCDが付いているものがあります。子どもが寝る前、英語絵本を見せながら、CDの英語音声を聞かせてあげましょう。最初は言葉が理解できなくても、絵を見ながら、話の内容を想像することができるはずです。

 

親も子どもと一緒に絵本を見ながら英語の音を聞いているようにしましょう。親も楽しんでいるということが、子どもに伝わるはずです。

 

②映画、アニメのDVD

 

小さい子どもが大好きな『きかんしゃトーマス』や『くまのプーさん』は、もとは英語のアニメです。もちろん英語のDVDがあります。

 

アニメやテレビを見始めるころは、子どもは英語か日本語かということは、あまり意識しません。画面に映るキャラクターの動きを、一生懸命追っています。そのキャラクターの行動とともに、耳に入ってくる英語を自然に吸収していくはずです。

 

ディズニーアニメにも、よい作品がたくさんあります。吹き替えではなく英語で話しているもので見せてあげるといいでしょう。字幕付きのものを一緒に見るようにすれば、大人は字幕で、まだ字の読めない子どもは英語の音を聞き、一緒に楽しむことができます。

 

また、『となりのトトロ』『魔女の宅急便』など、日本の名作アニメが英語化されていることをご存じでしょうか。親がかつて日本語版で見た懐かしいアニメを、子どもと一緒に英語で見てみるのもいいかもしれません。

 

③テレビの英語放送

 

NHKの子ども向け英語番組のほか、海外のアニメ番組に、二カ国語で放送されているものがあります。『くまのプーさん』『おさるのジョージ』など絵本でも人気の名作が、英語で放送されたことがありました。子どものお気に入りのアニメがあったら、ぜひ副音声が英語になっていないかどうか、確認してみてください。

 

また、家の中に英語環境をつくりたいならば、ぜひケーブルテレビや衛星放送を取り入れることをお勧めします。

 

海外アニメ専門のチャンネルがあり、子どもが夢中になれるアニメ作品を、いつでも英語で見ることができます。スヌーピーやトムとジェリー、ガーフィールドといった海外で人気の作品に接することもできて、外国人と話をするときに、共通の話題を持つことができるようになります。

 

④インターネットの動画

 

海外の放送局の中には、番組の一部をウェブサイト上で公開しているものがあります。インターネットで、「baby」「TV」といったキーワードで検索してみましょう。無料で視聴することができるものがあります。中には簡単なゲームが公開されているものがあり、物心つく前の子どもでも、親と一緒に画面を見ながら遊ぶことができます。

 

また、YouTubeのような動画公開サイトには、海外のさまざまな子ども向けテレビ番組がアップロードされています。子どもが電車に興味があるならば「train」「kids」、歌が好きならば「song」「kids」といったキーワードで検索してみましょう。子どもが好んで見ることができるような動画を、すぐに見つけることができます。

 

「言葉がわからないとつまらないのでは」と心配する必要はありません。日本語で見ていても、言葉を覚える前の子どもは、画面の動きや、聞こえてくる音やリズムだけで楽しんでいます。それを英語で行うことで、自然に英語の音やリズムに親しむのです。

 

⑤スマートフォンやタブレットPCのアプリ

 

親が普段持っているスマートフォンも、子どもが英語に触れるのに役立てることができます。アルファベットや単語を覚えたりする学習もあるのですが、物語を見ながら英語の音を聞いたり、ネイティブの子どもが使うような、英語のパズル、間違い探しなどで遊ぶのもよいでしょう。

 

また、家でタブレットPCを使っているのであれば、大人と子どもが一緒に遊ぶことができます。子ども用のアプリは、できるだけ英語の習得に役立つものだけにすることをお勧めしますが、「勉強だから」といって一生懸命覚えたり正解を探そうとしたりする必要はありません。

 

日本語のアプリを使うときと同じように、ごく自然に英語で遊ぶことが肝心です。無料で利用できるものが多数あり、有料でも数百円からと、低価格で遊ぶことができます。

 

気に入ったものができたら、子どものほうから「あのアプリで遊びたい!」とねだるようになるかもしれません。そのとき、子どもの中に「英語のアプリ」「日本語のアプリ」という区別はありません。ただ「自分の好きな遊び」として認識されているのです。

 

 

三幣 真理

幼児英語教育研究家

 

幼児英語教育研究家

ヒューストン生まれ。4歳で日本に帰国したのち、12歳でカナダへ。慶應義塾大学理工学部入学後、環境情報学部へ転籍。フランス語(第一外国語)、イタリア語(第二外国語)を学び、語学への理解を深める。卒業後は、日本アイ・ビー・エムシステムズ・エンジニアリング株式会社勤務、フリーランスで翻訳・通訳の仕事に携わるほか、日本の英語教育学者の第一人者である東京大学名誉教授の岡秀夫教授に師事。
現在は、敬愛大学でSkype英会話の講師を務めるほか、幼児英語教育研究家として子どもたちの英語教育に携わる。日本人男性との間にもうけた一女をバイリンガルに育て上げた。

http://life-produce.jp/

著者紹介

連載猛勉強してもなぜか「バイリンガル」になれない日本人

バイリンガルは5歳までにつくられる

バイリンガルは5歳までにつくられる

三幣 真理

幻冬舎メディアコンサルティング

グローバル化が叫ばれている昨今、世間では英語力が問われる風潮になりつつありますが、日本の英語力は依然として低いまま。 学校での英語教育も戦後間もない頃からのスタイルとほとんど変わらないのが現状です。 そのためか…

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