本音を聞き出すには、最初から核心部分の質問はしない
良い不動産業者であるのか、判断したいときは、どんどん質問をします。とりわけ過去の実績です。自分の意見も入れながら尋ねると本音の部分が引き出しやすいのです。ここからは具体的な会話事例でご紹介します。
①物件についての質問の仕方
物件についての質問の仕方は、まず全体の総論から聞くことです。いきなり核心の部分を聞いても心を閉ざされてしまいます。
あなた「最近の物件の利回りはどうですか?」(全体の総論)
あなた「少し物件が少ないのか、それとも買う人が多いのか・・・利回りが落ちている気がするけど?」(自分の意見)
不動産業者「そうですね。買う人が多くて売れるので利回りは落ちていますね」
このように、全体の総論を聞いてから、自分の意見を入れると業者も本音で話しやすくなります。次は重要な融資の話です。
質問に答えられない業者には見切りを付ける
②融資についての質問の仕方
あなた「最近よく融資が出ている銀行はどこですか?」(全体の総論)
あなた「私は条件が合う物件であれば、融資が3億円まで付きます。物件によっては5億円まで大丈夫です」(個別の話。融資条件や金額は、先に銀行で確認しておきます)
全般的なことを聞いてから、その後で個別の銀行の状況を聞けばスムーズに話が進みます。また「私は融資について心配ありません!」と、良い客であることを理解してもらいます。融資について、心配いらないとわかれば業者も話しやすくなり、本音で対応してくれます。
不動産業者「○○銀行が融資はよく出ています」
あなた「他の銀行はありませんか?」(もう少し突っ込みます)
不動産業者「△△銀行も出ていますね」
あなた「そうですか、○○銀行は最近よく聞きますね。積極的になっているのでしょうか。どこの支店が良いと聞きますか? あと、融資してくれる範囲がどのくらいかご存じですか?」(個別の話)
不動産業者「一都三県なら対応してくれます」
このような質問に答えられないようでは実績がないか、ちょっとしたことにも応用が利きませんから、次の業者で探した方がいいですね。
あなた「一番最近の貴社の融資実績を教えてください」(個別の突っ込み)
不動産業者「○○銀行から先月1億5000万円の融資が出ました。物件も良かったのでフルローンでした」
あなた「それは素晴らしい。その銀行の担当は優秀ですね。この物件の融資もその担当者を紹介ください!」(さらに突っ込み)
やはり全体的な総論を聞いてから個別のことを聞く方が抵抗感なく答えてくれます。ここまで聞いて、最近の事例の中で、しっかり融資付けができている担当者であれば、銀行にも通じています。
常に相手の立場で「何を欲しているか?」を考える
このように交渉をしたり、話を進めるポイントは簡単です。それは、常に相手の立場から見て「何を欲しているか?」を考えることです。そして、それを与えるように努力すると面白いほど交渉は進みます。まずは「何を欲しているか?」です。不動産業者の立場になって考えてみればわかりますよね。
不動産業者は「物件を売りたい」のですが、売るためには物件を気に入ってもらうと同時に、融資の付く人でないと買ってもらえません。逆にいえば、買いたいと思っているあなたは「融資の付く人=買える人」にどうしてもなる必要があります。厳しいようですがこれば事実です。でも、最初から買える人なんていません。次回よりお伝えする手順をしっかりマスターして「買える人」になってください。