同じ広さのマンションにも関わらず価格には大きな差
前回説明したように、マンションの躯体や品質にはさほど差がなく、保証も変わらないにもかかわらず、大手の有名な会社が作るマンションとそれ以外の会社が作るマンションの間には大きな価格差があります。
マンションの市場調査会社トータルブレインが2007年に発表した調査によると、同年1~6月に不動産会社大手12社が東京23区内で販売した分譲マンション価格(3.3㎡あたり)は、中堅・中小の不動産会社の分譲価格よりも25%高かったという結果が出ています。
調査対象は東京23区内で販売された分譲マンション5686戸で、このうち、約37%を大手12社の物件が占め、販売価格はそれ以外の会社と比べて、3.3㎡あたり74万3500円高い297万4000円でした。
ちなみに、これを70㎡のマンション価格にしてみると、大手の物件であれば約6300万円。25%安い他の会社の物件では、約4730万円になり、同じ広さのマンションであるにもかかわらず、その差は1500万円以上にもなります。これを住宅ローンに換算してみると、35年返済、金利3%として、毎月約6万円の差です。
この大きな価格差の要因は、大手企業の場合、資本力を背景に価格が高く評価されがちな大規模物件や超高層物件を扱うことが多いためと考えられますが、同様の立地条件で中規模物件を比較しても、10%前後の価格差は現在でもあるように思います。
ブランド物のバッグなら、ちょっと高かったかも・・・と思っても、数万円程度の価格差ですし、それなりのステイタス感もありますから、多少の使い勝手の悪さは我慢できるかも知れません。
しかし、選んだマンションのブランドイメージがよいからと言って、住んでからわかってくる使い勝手の悪さや居住性の悪さは、我慢できるようなレベルの話ではありません。
周辺のマンションと比較し、価格差を十分調査する
そう考えると、このような価格差があることをマンション購入検討者は見過ごしてはなりません。チラシや住宅情報誌などでは入手できる情報に限りがありますので、必ずインターネットで同駅および周辺エリアのマンションを検索し、その価格差を十分に調査するよう心がけてください。
つまり、買う側には、ブランドイメージに踊らされない冷静な判断力と賢い選択が必要なのです。
また、価格差とあわせて、居住性能の明確な違いも十分に見比べる必要がありますが、それは追って説明していきます。