2009年より価格上昇が続く「サンディエゴ不動産」
「アメリカで一番素敵な都市」という愛称で親しまれている、米国カリフォルニア州サンディエゴ郡サンディエゴ市。年間を通して、国内だけではなく、海外からの旅行者も多く訪れます。日本では未だあまり知られていないリゾート地、サンディエゴの不動産投資先としての将来性を見ていきましょう。
まず、サンディエゴ不動産のマーケット動向を見てみましょう。
サンディエゴ不動産市場の過去10年間の住宅中間価格(戸建て、コンドミニアム含む)の推移は、小刻みな上昇、下落はあるものの2009年より上昇を続けています。
2009年9月の住宅中間価格が31万5,000USドル(約3,369万円)であったのに対して、2019年9月には57万2,000USドル(約6,118万円)と、10年間で約82%もの上昇を見せました。
いうまでもありませんが、2009年の不動産価格は、世界経済にも大きな影響を与えたリーマンショックの影響により、下落幅が大きくなっています。そのため、不動産価格が以前の価格にほぼ戻った際には、82%の上昇という結果になったわけです。
次に、同じく過去10年間で、売買成約に要した平均日数(物件が市場に出てから売り手、買い手両者の合意の元契約が成立した日までの日数)を見てみると、過去10年間で一番長い売買成約平均日数は、2012年1月の約95日間で、それに対して2019年9月時点では約35日間、2012年1月と比較すると約3分の1という結果になっています。
つまり、以前は物件が市場に出てから契約が成立するまでに約95日間要していたのが、2019年9月時点で約35日間で売買契約が成立してしまうという、いわば買い手(需要)が売り手(供給)を上回る状況であり、サンディエゴ不動産市場の活発さを読み取ることができます。
米国平均を大きく下回る「サンディエゴの失業率」
米国有数のリゾート都市として人気が高く、人々が集まる地サンディエゴですが、雇用の状況はどうでしょう?
California Employment Development Departmentによると、サンディエゴの失業率は2019年4月時点で3.0%となり、米国の失業率3.8%を下回っています。つまり、サンディエゴには雇用の機会が多くあるため、その分、住宅の需要が高いということがいえます。
その結果、サンディエゴのGDP(国内総生産)は毎年上昇の一途を辿っており、今後も上昇が続くと予想されています。
日本のGDPは1995年以降横ばい状態なのに対して、サンディエゴのみでなく米国のGDPを見ても同様の結果が出ています。「国内経済の安定」は、やはり海外不動産投資をする上で、一番重要なポイントといえます。
さらに、賃貸収入目的の不動産投資をする際に重要なポイントは、賃貸空室率です。いくら不動産売買が活発な市場であっても、賃借人がつきにくくては頭を痛める原因となってしまいます。
その点、サンディエゴの賃貸空室率は、米国の空室率6.18%(2018年)を大幅に下回る3.48%(2018年)という結果がでており、不動産売買市場だけではなく、賃貸市場も需要が高く、安定した不動産投資が見込めるといえます。
昨今、物件価格が上昇を辿っているなか、「米国不動産価格の大きな下落」を危惧する声もよく聞きます。
本当に、「ハウジングクライシス」は起こるのでしょうか?
多くのアナリスト達は、米国内で景気経済の下降が今後18ヵ月以内に起こるだろうと予想しています。しかし、その景気経済の下降が「不動産価格の大きな下落」に大きな影響を与えることは考えにくいと分析しています。
その理由として、下記があげられます。
①バブル崩壊時に現れた、不良債権比率の増加の兆候は見受けられない
②低い賃貸空室率
③売買成約平均日数が短期間であること
④サンディエゴで1980年、1981年、1991年、2001年、2008年と過去5回あった景気経済の下降時においても、5回のうち3回は、不動産価格はその影響を受けずに上昇していたという事実がある
以上より、サンディエゴ不動産には、物件価格の上昇、短い売買成立平均日数、低い賃貸空室率といった特徴があることがわかりました。このことから、サンディエゴ不動産はもし物件価格が下がったとしても、再び上昇し、持ち直す強みがあると考えられるでしょう。
石橋 由美子
パシフィックサザビーズインターナショナルリアルティ 不動産エージェント