ごく普通の住まいにもかかわらず高額の相続税が・・・
長く住み続けてきた街の人気が高まるのはうれしいことでしょう。ただ、その分地価が高くなれば、相続税課税評価額も上昇しますから、相続では思わぬ負担が生じることもあります。
大阪市近郊である西宮市に住むCさんのケースでは、次のようなごく普通の住まいについて、相続税の問題が発生してしまいました。
【概要】
<人気の街に建つ自宅>
所在地:兵庫県 西宮市
面積:500㎡
用途地域:第一種住居地域
相続税評価額:1億円
相続人:妻と子ども2人
備考:長年住んできた自宅だが、最近人気が出てきたため、地価が高騰している。高額の相続税が支払えず、将来妻が住む場所を失ってしまうことが心配。
相続税法の改正によって今後はさらに相続税が高額に!?
【問題点】
●これまで地価の高騰を想定したことがなく、相続税を支払うだけの預金がない。
●他にも資産があり、相続税計算の適用税率が高い。
ご相談を受けた私たちがCさん宅の相続税評価額を試算してみたところ、1億円にのぼることがわかりました。
Cさんはビックリ。ずいぶん昔に購入した住まいだったため、そこまで高いとは考えていなかったようです。新しく大型ショッピングセンターができるなど、便利になっており、地価が高騰している地域でした。
他の財産もあり、相続財産が多額にのぼるため、Cさんの相続で適用される上積税率は40%という高い率になります。改正相続税法が施行される平成27年1月1日以降に相続が発生すれば、さらに高額の相続税が課税されます。
年老いた奥さんは、今の自宅に住み続けることを願っていますが、高額の納税資金を用意できません。地価が高い都市部では非常に多く見られるケースで、相続税法の改正により、さらに急増するのでは、と心配されています。
次回は、高額の相続税を減額する方法を見ていきます。