スリランカ・ルピーの価値下落、大幅な財政赤字など様々な要因が積み重なり、2016年のインフレ率は上昇すると見込まれているスリランカ経済。そこに米国の利上げによる新興国からの資本流出という課題も重くのしかかります。

財政赤字が金融政策の自由度を制限

ベンチ・マークとなる全国消費者物価指数によれば、スリランカのインフレ率は、2014年10月の3%から2015年11月までの一年で4.8%に上昇した。

 

スリランカの中央銀行は紙幣を乱発し、政府の財政浪費に対応したことで、消費者物価のコントロールや、ルピーの安定を犠牲にすることになった。コントロールされていないルピー下落とインフレは、貧困層に打撃を与える。中央銀行は金融政策を引き締めないことに対し、様々な言い訳を持ち出している。

スリランカも巻き込まれる新興国からの資本流出

4. 新興市場の二重苦

構造上の問題が資本流出を引き起こす場合、新興経済国および開発途上国の経済成長は減速する可能性がある

 

新興市場と発展途上市場は20年以上もの間、毎年純資本の流入を惹きつけたが、同時に投資家たちは出口を模索し続けていた。具体的には、投資家たちは金利の上昇と、コモディティ価格の急落に怯えていたのだが、それが2015年に表面化して、資本の流れに転換期が訪れたのだ。

 

IMFはこれからの5年で新興経済諸国の経済成長は改善を見せると予想する。しかしながら、資本流出という経済成長に対する重大なリスクがあることもIMFは警告をしている。

 

次回は、新興経済国から資本が流出する要因についてご説明します。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2016年1月に掲載した記事「THE BEAR YEAR」を、翻訳・編集したものです。

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