財政赤字が金融政策の自由度を制限
ベンチ・マークとなる全国消費者物価指数によれば、スリランカのインフレ率は、2014年10月の3%から2015年11月までの一年で4.8%に上昇した。
スリランカの中央銀行は紙幣を乱発し、政府の財政浪費に対応したことで、消費者物価のコントロールや、ルピーの安定を犠牲にすることになった。コントロールされていないルピー下落とインフレは、貧困層に打撃を与える。中央銀行は金融政策を引き締めないことに対し、様々な言い訳を持ち出している。
スリランカも巻き込まれる新興国からの資本流出
4. 新興市場の二重苦
構造上の問題が資本流出を引き起こす場合、新興経済国および開発途上国の経済成長は減速する可能性がある
新興市場と発展途上市場は20年以上もの間、毎年純資本の流入を惹きつけたが、同時に投資家たちは出口を模索し続けていた。具体的には、投資家たちは金利の上昇と、コモディティ価格の急落に怯えていたのだが、それが2015年に表面化して、資本の流れに転換期が訪れたのだ。
IMFはこれからの5年で新興経済諸国の経済成長は改善を見せると予想する。しかしながら、資本流出という経済成長に対する重大なリスクがあることもIMFは警告をしている。
次回は、新興経済国から資本が流出する要因についてご説明します。