ベトナム不動産プロジェクト、VIN GRAND PARKの最新状況

ベトナムの超大手不動産ディベロッパー、VINHOMESの開発物件「VIN GRAND PARK」(旧プロジェクト名VIN CITY)がいよいよ発売開始となりました。ホーチミン周辺は住宅価格が上昇していますが、この物件自体も当初のプロジェクトから大きく価格が動いています。本記事では、VIN GRAND PARKの概要とともに、今後の投資価値について、ベトナム不動産市場の動向を解説します。

ホーチミンの住宅価格、直近5年間で年平均10%上昇

ベトナムの不動産市場に動きが出ています。6月下旬からいよいよVIN GRAND PARK(旧VIN CITY)の売出しが開始されました。ベトナムのオンラインニュースサイトである「Vn Express」によれば、ホーチミンの住宅価格直近5年間で年平均10%の上昇を見せています。

 

イギリス系総合不動産会社の系列であるSavills Vietnam社によると、2014年~2018年の5年間でのホーチミン市の住宅価格が年平均10%ずつ上昇している。2018年末時点での住宅の平均単価は1600USD/㎡となった。住宅のタイプ別では高所得者向けの上昇率が最も高く、5年間の平均取引引数は年平均44%のアップとなり、2018年には4万9000件を記録し、過去最高となっている。低所得者向けは住居用が大半であり、中高所得者は投資物件が多くを占めている。(「Vn Express」2019年6月17日)

 

この記事からわかるのは、ベトナムの経済成長とリンクしながら、不動産市場も着実に成長を遂げているということです。現在は政府の規制もあり、新規受託売り出しが制限されていますが、引き続きベトナム人の購買意欲の高まりは続いていくことがうかがえます。

「VIN GRAND PARK」のプロジェクト内容が変更に

本連載でも何度となく取り上げてきた、ベトナム最大の不動産デベロッパーであるVINHOMESのVIN GRAND PARK(旧VIN CITY)の売出しですが、プロジェクトの内容について、以前までの発売予定概要と変更された点があります。

 

これまでも、ベトナム不動産は政府の規制により新規物件や工事中の物件、すでに引き渡された既存の物件の販売が制限され、販売許可待ち状態になっていたり、ライセンスの再調査等々で軒並み工事が止まったり、スローダウンするなど不透明な状況が続いているとお伝えしましたが、今年に入り、VINHOMEはハノイやホーチミンでの巨大プロジェクトの販売許可が下り、売り出しをスタートしています。

 

許可が下りずに販売や工事が進められないほかの開発会社から見れば、なんともうらやましい限りでしょう。

 

プロジェクトの名称をこれまでの「VIN CITY」から「VIN GRAND PARK」へと変更し、6月24日からホーチミンで売り出しを開始。1号線(フェーズ1)の 3375ユニットの予約は7月12日に締め切られ、約3週間足らずで予約完売となりました。事前に代理店がベトナム人向けに販促をかけていたのが大きかったようで、ベトナム人枠の物件は1週間足らずで予約完売となったと聞いています。

 

事前販売予測からの変更点として気になるのは、その販売価格です。昨年度に予測されていたコンドミニアムの売り出し予定価格は2500万VND/㎡~(約12.5万円/㎡~)ですが、今回の売り出し価格は3200万VND/㎡~(約16万円/㎡~)です。いずれも付加価値税10%と修繕費2%は含まず、昨年の売り出し予定価格に比較して約28%の価格上昇となりました。

 

若干の値上がりは想定していましたが、1年で約28%のアップは想定外です。正直なところ、現時点でこの立地でこの価格は無理があると思われますが、いまのタイミング(市場に供給される物件が制限されている状況)で売り出せるあたりを考えると、やはりベトナム不動産市場における「VINHOMESブランド」の強さを認めざるを得ない状況です。

 

プロジェクト名を「VIN CITY」から「VINHOMES Grand Park」に変更した際、開発許可申請も追加変更となりました。当初は20階~24階としていた高さが、30階以上となりました。すでにフェーズ1は7階まで工事が進んでいますが、これまでのVINHOMESの実績から見る限り工期の遅れはなさそうなので、引渡まで順調に進むでしょう。

VIN GRANDPARKは長期キャピタル狙いか

これまでと大きく異なる点に、中国人の物件購入を制限する動きがあげられます。現在は、VIN GRAND PARKの外国向け販売先として、中国籍、香港籍のパスポート保持者へのフェーズ1の物件の販売を行っていません。購入はできなくても、サブリースによる物件保有は可能ですが、中国の新パスポート(2012年5月に中国が発給を開始した、南シナ海をはじめ領有権を争う国境地帯を「中国領」と取れる描写があるもの)では、それもできません。いまのところ、VIN GRAND PARKの販売ポリシー内での判断なので、政府の指示であるかどうかは不明ですが、今後売り出されるほかのプロジェクトも注視する必要があります。

 

上記のように、中国人の購入を制限する流れとなったのは、急激な中国マネーの流入と、外国人が購入できない物件を中国人がベトナム人名義で購入するケースが増えていることへの危機感が大きいといえます。この方針は当面続く可能性があり、ベトナム不動産市場にも少なからず影響が出てくると思われます。

 

筆者の見立てとして、VIN GRANDPARKは、大型開発案件であり、すべてが完成するまで約7年の期間を有することから、収益を得るまで時間がかかる物件だと考えています。とくに外国人向けのインカムは時間がかかり、長期でのキャピタル狙いの物件であるといえるでしょう。

 

冒頭でも述べたように、ベトナムの住宅価格は年平均10%上昇しています。現時点では立地や設備等を含めると割高感は否めませんが、高速道路や都市鉄道を含めたインフラ計画があり、将来的には伸びてくる地区です。長い目で見れば、投資対象として検討の余地があるのではないでしょうか。

 

 

VINA COMPASS Co., Ltd. General Director

沖縄県宮古島生まれ。久留米工業大学を卒業後、トヨタグループ系列の株式会社アイチコーポレーション入社。特殊車両メーカーの営業部門で16年勤務。
2004年、商談で訪れたベトナムホーチミンに魅了され、独立起業、単身にて渡越。 2006年、取引先の製薬会社と合弁で排水処理会社を設立。
国営事業であるホーチミン市病院排水処理事業の入札業者として認証を受け、在籍中235ヶ所の病院排水処理を手掛ける。2012年、合弁会社の株を売却。新たに浄排水処理会社としてSHINY VIETNAM社、不動産・建築会社としてSHINY REAL社を設立。現地企業やベトナム政府事業の実績を活かし、越人コミュニティに入り、浄排水処理事業を手掛ける傍ら、日系大手への環境コンサル支援や、現地最大手の不動産デベロッパー、VINHOMESの日系唯一の販売代理店としてCentral Parkプロジェクトの販売を手掛けた。2018年、SHINY社、合弁解消後、新たに独資でVINA COMPASS社を設立。不動産販売仲介、賃貸仲介、管理運営、内装工事、進出支援コンサル業を手掛ける。特に進出時の事業許可、会社設立時のリスクヘッジ関連を得意としている。

VINA COMPASS社ウェブサイト:http://www.vinacompass.com/

著者紹介

連載ASEAN諸国で最も熱いベトナム――現地から探る不動産投資と事業の可能性

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