不動産投資において「エリア選び」が非常に重要という話は聞いたことがあるでしょう。しかし東京などの大都市圏と地方では、エリア選定の考え方、物件の選び方が異なります。今回は、不投資家とエージェントを繋ぐマッチングサービス「Estate Luv」を運営する八木チエ氏が、地方の物件に投資する場合のポイントを解説していきます。

不動産投資のエリア選び、3つのポイント

不動産投資を行う際に、どのようなエリアを選べばいいのか。まずは3つのポイントを紹介します。

 

(1)賃貸ニーズがあるエリアを選ぶ

毎月安定した家賃収入を得るには、賃貸ニーズがあるエリアで物件を選ぶことが重要です。一般的には東京23区内であれば「賃貸ニーズがある」といわれています。しかし、エリアよって、入居者ニーズは異なります。会社員に人気のエリア、女性人気の高いエリア、学生が多いエリアなど、エリアによって事情は様々です。入居者ニーズを考え、ニースに合った物件を選ぶようにしましょう。

 

さらに、住宅情報サイトの「住みたい街ランキング」を参考にするのもいいでしょう。ひと口に「住みたい街」といっても、ニーズは様々です。たとえば、一般的に一人暮らしの方は職場から近いエリアを選ぶ傾向があります。そのため、ビジネス街から近いエリアであれば、一人暮らし用の物件を選ぶといいでしょう。一方、浦和や大宮、武蔵小杉などの郊外は、子育て世代から支持されています。そのためファミリー向けの物件を選ぶといいでしょう。

 

(2)再開発予定があるエリア

今はそれほど人気のあるエリアでなくても、再開発により地価が上がり、物件価格が上昇するエリアを選ぶことも一つの手法といえます。また、再開発の前なので、比較的に安い価格で購入することができる場合もあります。東京都の再開発予定については、「東京都都市整備局」のWEBページで確認することができます。

 

(3)不動産投資が初めてであれば、まずは地元

初めて不動産投資をするなら、まずは地元の物件を投資するのも1つの選択肢です。単純にその街のよい所も悪い所も知っているからです。また、物件が近くであればなにかあった際にすぐ見に行けることも、1つのメリットといえるでしょう。

地方での不動産投資、エリア選定3つのポイント

地方エリアの物件を選ぶ時は、下記3つのポイントが挙げられます。

 

(1)大学・大きな企業が近隣にあるエリア

土地勘のないエリア、地方エリアで物件を選ぶ時、大学や大きな会社(東京などに本社のある企業の地方拠点や、地元の有力企業)があるか、重視すべきです。なぜなら、学生や社宅の賃貸需要が見込めるからです。

 

しかし、少子高齢化の影響により若者が減り、キャンパスの統廃合を行う大学が増えています。それは企業も同様で、ビジネス環境の変化で、拠点を統廃合させる動きはよく見られるものです。あまりに大学や企業への依存が高いエリアは、環境の変化により、賃貸ニーズも大きく変わるリスクがあることを覚えておきましょう。

 

(2)最寄り駅や物件周辺の再開発情報をチェック

都内エリアと同様に、地方エリアにおいても最寄り駅や物件周辺の再開発情報をチェックすべきです。商業施設が充実すれば、物件自体の資産価値UPの可能性があります。しかし、すべての再開発が資産価値向上に繋がるわけではありません。きちんと再開発の内容も理解することが大切です。

 

(3)駅から遠い物件は周辺駐車場の空き状況を確認

地方エリアの場合、車を主な移動手段としている場合が多いので、最寄り駅から遠い物件の場合、周辺駐車場の確保が必要な場合もあります。もし駐車場の確保が難しい場合は、ターゲットは車をほとんど使わない年配の方に絞るなどの対策が必要になります。

地方での不動産投資…物件選びの5つのポイント

(1)WEBマップサービスの活用する

遠方の物件を購入する場合は、現地に足を運ぶのが難しい場合があります。そのような場合に便利なのが、WEBマップサービスです。WEB上で物件周辺をリサーチすることができます。しかし地図が最新のものとは限りません。周辺の店など変わっていないかなどは、電話などで直接確認をするといいでしょう。

 

(2)一都三県と主要都市以外は、1Rより大きい物件を狙う

都市部では珍しくない1Rですが、地方の場合、1Rという間取り自体が少ない傾向にあります。それは賃貸ニーズの表れともとることができます。また地方の場合、都市部の物件より、当然価格は割安なので、予算によっては複数戸投資することも検討してもいいかもしれません。

 

(3)空室であれば、室内状況を必ず確認する

空室物件は比較的に安く購入できるケースが多いですが、室内の状況は必ず確認するようにしましょう。口頭でキレイといわれても、実際に見てみないとわかりません。遠方の物件の場合は、必ず室内写真をもらいましょう。

 

また空室になっているには、必ず原因があります。周辺よりも家賃が高いから、設備が古いから、そもそも入居者ニーズがないエリアだから……。空室になっている原因と、その解決方法があれば、投資を検討しててもいいかもしれません。

 

(4)利回りを意識する

利回りはエリアによってまったく異なります。東京23区であれば、利回り10%以下が当たり前ですが、地方だと15%以上という物件が多いです。しかし大切なのは、利回りよりもエリアの相場です。「安い物件ですよ」「相場よりも家賃がとれますよ」などという営業トークに騙されず、きちんとエリアの相場を調べ、適正かどうかを見極めましょう。

 

(5)管理会社選びをしっかりと

売主がそのまま物件管理をしてくれる会社も増えましたが、中古物件の場合は自身で管理会社を探すケースも多くあります。特に遠方の物件だと賃貸管理は大変です。不動産投資は購入してからがスタート。地元のことがよくわけっている、信頼できる管理会社を選びましょう。

 

 まとめ 

自分の土地鑑のあるエリアがいい人もいれば、都心がいいという人、予算の関係で物件価格が安い地方エリアがいい人など、不動産投資のエリア選びの考え方は人それぞれです。どのエリアでも間違いではありません。ただし、安定した家賃収入を得るには賃貸ニーズがあるエリアであることが絶対条件です。 エリアごとの賃貸ニーズを把握し、ニーズに合った物件を選びましょう。

本連載は、株式会社エワルエージェントが運営するウェブサイト「Estate Luv(エステートラブ)」の記事を転載・再編集したものです。今回の転載記事はこちら

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