「青汁王子」の脱税を国税当局が見逃さなかったワケ

自らが発信したSNSの自慢ネタから墓穴を掘って、東京地検特捜部に脱税容疑で逮捕・起訴された「青汁王子」。国税の情報収集能力を甘く見るのは禁物である。テレビに出演するような著名人ではなく、一般人であっても、SNSへの「金持ち自慢」投稿は、税務署からチェックされているのだ。『相続税の税務調査を完璧に切り抜ける方法』を著作にもつ税理士法人レガート代表社員の服部誠税理士が解説する。

これから確定申告が始まるというタイミングでの逮捕劇

女性向けにダイエット効果などをうたって青汁を爆発的なヒット商品にさせ、メディアなどでも派手に取り上げられた「青汁王子」こと三崎優太氏(株式会社メディアハーツ・代表取締役)が、今年の2月12日に脱税の容疑で東京地検特捜部に逮捕された。

 

彼は青汁などの健康食品を販売する「メディアハーツ」という会社の社長であるが、架空の広告宣伝費などで2年間にわたって5億1300万円の所得を隠し、約1億4000万円の法人税と約4000万円の消費税を脱税し、逮捕・起訴されたのである。

 

まさに、これから確定申告が始まるというタイミングでの逮捕劇であり、世間の納税者に警笛を鳴らすために見せしめ的にリークしたとも思える報道であった。

 

メディアハーツの売上は、2016年9月期が18億円だったのに対して、2017年9月期は121億円に急増したといわれている。健康によいとされる青汁を飲みやすいものにしてヒット商品に結びつけた彼の経営手腕には感心するところもあるが、その後のド派手な私生活をメディアで紹介したりSNSで自らが発信したりし、その結果、国税にマークされて今回の顛末を招いたものと思われる。つまり、自ら墓穴を掘ったといっても過言ではないだろう。

 

脱税の手口も架空の経費(広告宣伝費)の水増しというからお粗末だ。

 

彼の自慢話はSNSで自ら発信したものもあるが、テレビなどのメディアでも盛んに取り上げられ、豪華マンションでの生活振りや高級外車や高級腕時計、競走馬の保有などを自慢げに紹介していた。こうした派手な生活の状況を国税当局が見逃すはずがない。

 

会社の急成長と彼自身の派手な金遣いから、国税の調査ターゲットになるのは至極当然といえよう。

 

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国税にとっては「宝の山」だった三崎被告のSNS

国税は法定調書や取引資料箋などから情報を収集しているほか、ブログやフェイスブック、インスタグラムといったSNSからも情報を収集し、税逃れをしていないかどうかをチェックしている。国税はSNSから何をチェックしているかというと、それらにアップされている内容から財産的価値と投稿者の金銭感覚を探っているのだ。

 

三崎被告のSNSには、豪華マンションに高級外車、高級腕時計、競走馬、さらには現金の札束を山にした写真まで投稿したものもあり、彼が発信していた内容は、まさに国税にとっては“宝の山”に見えたのではないだろうか。

 

よほど自慢したかったのか、具体的な金額までインスタグラムに書き込んでいた。

 

「僕も馬主として4頭の愛馬を落札してきました」

 

「金額は4頭合計で2億2400万円」

 

「今までの人生で一番高い買い物だった、でも夢が買えたからいいとしよう」

 

また、彼は国税を刺激するようなことばをツイッターで発信していた。

 

「公文書偽造するやつが長官の国税局に、そんな偉そうなこといわれたくない」

 

「数十億納税して、この仕打ちはやってられない」

 

「若い優秀な人が海外に逃げる意味を考えるべき」

 

飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長し、贅沢をしつくした挙句に脱税で逮捕され被告人となった青汁王子。国税を甘く見た代償は大きかったといえよう。

 

この事件から気付いていただきたいのは、国税の情報収集力の凄さである。これは決してマルサ(査察部)などに限った話ではない。一般の税務署であっても様々な方法で納税者に関する情報を収集し、税務調査に活用している。

 

個人の所得税や相続税に関する税務調査でも、税務署内部の準備調査の段階でSNSのチェックは行われているのだ。

 

税務調査の対象に選ばれないよう、自慢ネタの発信は慎んだ方が良いであろう。SNSは税務署も見ていると肝に銘じておこう。

 

 

服部 誠

税理士法人レガート 代表社員・税理士

 

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税理士法人レガート 代表社員・税理士

昭和34年1月生まれ。中央大学商学部卒。昭和58年6月税理士登録。
人と人とのつながりを大切にした「誠実な対応」「迅速な対応」「正確な対応」をモットーに、税・財務の専門家として、個人の資産運用や相続・事業承継に関するコンサルティング、相続申告業務において多数の実績を持つ。相続申告・贈与申告・譲渡申告等の関与件数は1000件を超え、その経験を基に雑誌などのメディアや書籍の執筆活動なども行っている。

著者紹介

連載【GW特集】平成の世に「富裕層から滑り落ちた」情報弱者たち~彼らが失敗した理由

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