19年アジアの注目政治イベント、インドネシア選挙

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

 

インドネシアでは5年毎に大統領選挙が行われます。今年4月の大統領選挙では、通常別日程で行われる議会選挙、地方選挙も同日に実施されます。再選をかけるジョコ大統領と、前回の雪辱を期するプラボウォ党首がインドネシアの今後をかけて戦う選挙戦、残り3ヵ月をきりました。

インドネシア大統領選挙:投票を3ヵ月後に控え、テレビ討論会始まる

インドネシアでは2019年4月17日に大統領選挙と議会選挙が同時に行われます。大統領選挙の選挙期間は18年9月に始まっており、再選を目指すジョコ・ウィドド大統領に対し、野党陣営は、グリンドラ党のプラボウォ党首が対抗し、前回、14年の大統領選挙の再現となっています。

 

大統領選挙は徐々に本格化し、1月17日には正副大統領候補の第1回テレビ討論会が開かれました。

どこに注目すべきか:インドネシア、大統領選挙、インフレ率

インドネシアでは5年毎に大統領選挙が行われます。今年4月の大統領選挙では、通常別日程で行われる議会選挙、地方選挙も同日に実施されます。再選をかけるジョコ大統領と、前回の雪辱を期するプラボウォ党首がインドネシアの今後をかけて戦う選挙戦、残り3ヵ月をきりました。

 

まず、インドネシア大統領選挙の今後の流れを振り返ります。3ヵ月の選挙戦では第1回目を含め合計5回テレビ討論会が予定(一部スケジュール未定)されています。4月14日からは選挙キャンペーンが禁止され、4月17日に投票となる運びです。

 

なお、選挙結果の公表は前回(14年)は半月程度遅れており、今回も結果の公表はある程度遅れそうで、大統領の就任は、(前回同様)10月頃と見られています。

 

現在の支持率ですが、再選を目指すジョコ大統領が過半数から6割程度の支持を獲得する一方、プラボウォ党首は3割強と20%程度の差がついています(図表1参照)。現職の強みからか、選挙戦折り返し時点となる現段階では選挙戦を優位に進めています。

 

[図表1]インドネシア大統領選挙世論調査

出所:Indikator Politikを参考にピクテ投信投資顧問作成
出所:Indikator Politikを参考にピクテ投信投資顧問作成

 

ただし、前回の大統領選挙でも序盤はジョコ氏がリードしていましたが、最終的な得票率はジョコ氏が約53%で、プラボウォ氏との得票差はわずか6%程度にまで接近しました。


残り4回予定されているテレビ討論会などの結果によっては形勢逆転のシナリオも想定する必要がありそうです。なお、人権、汚職、テロ等をテーマとした第1回テレビ討論は、おいに用意したメモを読んでいる印象で、ガードが固い討論との評価となっています。ただ、今後は経済政策や安全保障などがテーマとなり、活発な議論の展開も想定されます。

 

最後に、二人の候補の違いや、特徴を簡単に述べます。

 

ジョコ氏は現職大統領として過去の実績と今後の課題を訴える戦略と見られます。ジョコ氏は就任後経常赤字や財政赤字の原因であった燃料の補助金を事実上撤廃、その後の通貨高などを受け消費者物価指数(CPI)は前年比3%台に低下させたのが実績です。ただ、GDP(国内総生産)成長率は安定するも伸び悩みで、今後の課題と思われます。

 

[図表2]インドネシアのGDP成長率とCPIの推移

月次、期間:2010年1-3月期~2018年10-12月期、GDPは四半期 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
月次、期間:2010年1-3月期~2018年10-12月期、GDPは四半期
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成


ジョコ氏は代名詞でもある庶民派の路線は維持しています。

 

プラボウォ党首は軍出身で、強いリーダーシップにより開発主導の経済成長を目指す模様です。プラボウォ陣営は副大統領候補が大手投資会社創業者であることなどから資金力は豊富で、メディア戦略に活路を求める模様です。

 

 

仮にジョコ氏苦戦となると、ルピアへの下落圧力も場合によっては想定されますが、足元は落ち着いた状況です。
 

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『19年アジアの注目政治イベント、インドネシア選挙』を参照)。

 

(2019年1月29日)

 

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト

 

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ピクテ投信投資顧問株式会社
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日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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