米中貿易戦争の行方と米長期金利に左右される日本株式

ピクテ投信投資顧問株式会社が、日々のマーケット情報を分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

 

10月1日・2日以降の日本株式について、守り(売り)の投資スタンスを継続してきた。急落途中の前回レポートや、急落後の11月1日ラジオで、「短期押し目買い。11月中旬までに23000円前後で戻り売り」と申し上げた。タイミングは想定どおりだが、下げ幅は深く、戻りも今のところ鈍い。今後の日本株式は、米中貿易戦争の行方と米長期金利に左右されるだろう。

10月1日・2日以降は、売りスタンス継続

[図表1]テレビ・ラジオでのメッセージ(11月12日現在)

※2018年10月22~27日は海外出張のため、メディアへの出演コメント出来ず
※2018年10月22~27日は海外出張のため、メディアへの出演コメント出来ず

米中貿易戦争の行方と米長期金利に注目

足元激化している「米中貿易戦争」は、貿易より覇権争いの可能性が高く、米中とも譲れない争いのため、中長期の視点が必要になるだろう。図表2は、米中貿易戦争のスケジュール。短期的な注目点として、東アジア首脳会議(11/15)とAPEC首脳会議(11/17・18)にトランプ大統領の代理出席するペンス副大統領の動向に注目したい。

 

 

[図表2]米中貿易戦争のスケジュール

 

彼は10月4日に中国をバッシングした一方、直接中国と接触する立場でもある。G20首脳会議(11/30~12/1)での米中首脳会談開催においてトランプ大統領のディールにも期待があるようだ。会談の中身によっては、来年以降、米中対立の激化で制裁対象が拡大する恐れもある。リスクに備えたい。「米長期金利」に注目するのは、10月初旬からの世界的な株式市場の急落の原因の1つと言われているからだ。図表3をご覧いただきたい。

 

[図表3]米中貿易戦争のスケジュール

 

トランプ氏が次期大統領に決まって約2年間、長期金利上昇と共に日本株式も上昇してきた。トランプ政権による大型減税と規制緩和による経済政策が成功したためだ。しかし、10月3日に米長期金利3.20%を上抜けしたタイミングから、真逆の動きとなり、悪い金利上昇に変わった可能性がある。10月5日に発表された「米雇用統計」をみても賃金上昇が確認され、FRBのパウエル議長が、賃金上昇リスクについて発言し、マーケットは大きく動揺した。今後も米国の長期金利上昇によるマーケットの反応に警戒したい。

 

 

(2018年11月13日)  

 

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ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

証券系シンクタンクの企業調査アナリストを経て、日系大手運用会社にて投資顧問や投資信託の資金を国内株式中心に運用。その後、ヘッジファンドや独立系運用会社でもアクティブ・ファンドマネージャーとして従事。運用経験通算21年。最優秀ファンド賞3回・優秀ファンド賞2回の受賞歴を誇る日本株式ファンドの運用経験を持つ。ピクテでは、ストラテジストとして得意とする国内株式を中心に主要国のエクイティ・マーケットまで緩やかにカバー。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、国際公認投資アナリスト(CIIA)、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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