本連載は、スパークス・グループ株式会社のウェブサイトに掲載されている「COLUMN / バフェット・クラブの金言」を転載したものです。

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スパークス勉強会で議論される「投資」の定義

今回からはしばらく、社内勉強会「バフェット・クラブ」で、頻繁に飛び交う言葉をご紹介していきます。まずは、2回に分けて「投資」の定義について説明していきます。

 

スパークスでは、「投資とは、企業の実態価値と価格(株価)との間に生じる差異の裁定プロセスに主体的に参加すること」と定義しています。今回は、この言葉に込めた大まかなフレームワークを説明していきます。

「企業の実態価値」をどう算出するか?

まず企業の実態価値をどう算出するかです。スパークスでは、大きく3つの要素があると考えています。「経営者の質」、「ビジネスモデル」、そして「市場の成長性」です。この3要素を財務情報、非財務情報、周辺情報など、ありとあらゆる要素を織り交ぜながら分析し、企業の実態価値を算定します。株価を見るというより企業の全体の価値、時価総額で見ていく形です。

 

次に、対象企業の時価総額とスパークスの運用者が算出した実態価値を比較してみます。実態価値よりも時価総額が安く放置されている企業が投資対象となりますが、これだけでは十分条件とはなりません。

 

そこで、次に着目するのが「なぜ安いのか」ということです。要因は、大まかに以下の3パターンに分類できると考えています。

 

①地理的な制約や資金の性格による時間や収益目標の制約により、市場参加者にシェアされている情報に不均等なゆがみがある場合

 

また、投資家には長期投資家だけではなく短期投資家もいます。株価が長期的にあがり続ける確度が高い企業についても、当然、短期で利益を確保する人たちがいるのです。こうしたこともまた、株価形成に影響を与えます。特に最近は、ハイ・フリークエンシー・トレーディングと呼ばれる高頻度の取引が広まり、実態価値と関係ない短期的なサヤ取りの売買が、これまで以上に目立ちます。

 

②制度、法律、商習慣の違いなどが企業の実態価値の評価をゆがめている場合

 

例えば、最近よく言われるパッシブ投資とアクティブ投資の事例を考えれば良いでしょう。パッシブ投資とは、対象企業の分析なくTOPIX(東証株価指数)などの指数に投資することですので、良い企業も悪い企業も関係なく投資対象となります。となると、パッシブ投資が増えれば、当然、実態価値と価格の相対的価値のゆがみが拡大していきます。つまり、差がうまれる企業が出てくるというわけです。

 

③市場参加者の投資行動が支配的バイアスに極端に影響を受けている場合

 

これは、相場格言「悲観で買い楽観で売る」の世界です。バブル崩壊後30年、日本の上場企業の利益の総額は、バブルピーク時の利益の3倍以上になっているにもかかわらず、日経平均株価は1989年の約4万円から2万1,000円までの回復にとどまっています。

 

私は長期にわたる超デフレに加えて、超高齢化社会と人口減少などの支配的バイアスに市場参加者が極端に影響を受けた結果、新しい環境に順応し変化し続けてきた企業の実態価値の上昇と株価の間に、大きな歪みが生じていると思っています。

 

 

2回シリーズで、スパークスが考える「投資」の定義を、ご説明しています。

次回は、企業の実態価値と価格に差がある理由がわかった後のアクションについて考えていくことにしましょう。

 

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(2018年7月27日)

 

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