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環境問題、地球温暖化問題に関心を持った理由
前回、スパークスでは常に、企業家マインドを持って投資先企業の「キャッシュフローの泉を探す」ことを重視しているとお伝えしました。創業から30年を迎えようとしている今、スパークスでは、こうした企業家マインドを持って新規事業の投資機会発掘に取り組んでいます。
スパークスが取り組む投資事業の中でも、実物資産投資は新しいキャッシュフローの泉を見つけ出す活動の中から生まれたものです。太陽光や木質バイオマスを活用した再生可能エネルギー発電施設投資、また医療用ビルなどの不動産投資といったスパークスによるファンドの運用資産残高は、実物資産投資ビジネスが本格化した2012年から6年で約2,000億円に達しています。結果として、全体残高の約20%にまで育ってきています。
この実物資産投資に、キャッシュフローの泉を見つけ出していくうちに、さらに新しい泉を掘り出せるような知見が積みあがっていくと思います。
私は以前から環境問題、地球温暖化問題には関心を持っていました。アル・ゴア元米副大統領の映画「不都合な真実」を観たり、温暖化が21世紀最大のリスクと唱えるフランスの経済学者、ダニエル・コーエンの著作も繰り返し読んでいます。
2009年に、中東の政府機関を訪れた際に、彼らのスマートシティ構想などを耳にし、石油の恩恵を受けてきた国々ですら、脱炭素社会を展望し始めていることを実感しました。その後、東日本大震災によって、福島第一原発が大きな被害を受けます。こうしたこともあり、日本のエネルギー政策という観点からも、再生可能エネルギー発電施設を日本で作る必要性を強く感じていました。
そうした折、ドイツなどヨーロッパ諸国で導入され再生可能エネルギー発電施設普及のきっかけとなったFIT(固定価格買取制度)が日本でも導入されることが決まったのです。この制度は、実質的に国が買電価格を20年間保証してくれるというものです。
この制度の導入を受け、スパークスでは、20年にわたるキャッシュフローの泉を投資家に還元するファンドの設立に向けて動き始めました。時代に先駆け過ぎることなく時代の半歩先に、キャッシュフローの泉を見つけようと努力してきたのです。
FITで個人の電力使用者が負担する追加的電気料金をファンドのリターンとしてファンド出資者に払い出すことで、貯蓄者と投資家の間で資本(お金)の循環を促すことができます。さらに、投資により全国各地に発電所を建設することで、雇用の創出にもつながる公共投資の新しいモデルになるのではないかと考えました。更には、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素排出量削減にも貢献することができます。
2018年9月末時点で、投資が決定している発電施設は全国25カ所、発電容量は約400MWと国内最大規模のファンドへと成長しました。発電容量を約2.5倍に拡大できれば、原発1基分の発電ができるようになるのです。これも投資家の視点をもって、一つひとつキャッシュフローの小さな泉を積み上げてきた結果であると思います。
高邁な理想を掲げても、損が続く投資は継続できない
どんなに高邁な理想を掲げても、損をし続ける投資を継続することはできません。「キャッシュフローの泉を探す」、この感覚を鋭敏に保つことで、的確な時期に参入し収益の出る事業を作るのだと思っています。
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実は、再エネ発電施設投資に先駆けて、スパークスの実物資産投資最初の事例となったのは、東日本大震災で被災した地域にファンドでビジネスホテルを作ったプロジェクトでした。金融をプロフェッショナルとするスパークスが、何か被災地で役立てることはないかと考え、47億円規模の「東北早期復興支援ファンド」を作りました。これにより、地域復興のために働く方々が長期間滞在できるビジネスホテルを宮城県内に3ヵ所建設しています。
このファンドも高い稼働率を保ちながら先日償還したため、投資してくださった方々に、元本だけでなく利益もつけてお返しすることができました。スパークスのミッションは、「世界を豊かに、健康に、そして幸せにする」こと。私たちの信念に賛同してくださった投資家の方々のココロもフトコロも豊かにできたのであれば、こんなに嬉しいことはありません。
(2018年9月28日)
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