賃貸経営に手を出してはいけないケースも多いのに…
人っ子一人見当たらない、ススキぼうぼうの野っぱらに不釣り合いにそびえたつ、数十階規模の高層マンション――新幹線で地方に行く途中、車窓からそんな光景に出くわしたことがあります。関東郊外のエリアでした。
遠目から見ても、生活臭は感じず、入居者は見当たりません。築年数は、それほど経っていないようですが、幽霊でも出てきそうなゴーストマンションといった佇まいです。
かつて「アパートや賃貸マンション経営は土地さえあれば誰にでもできる」と言われた時代の背景にあったのは、人口の継続的な増加と、右肩上がりの経済成長でした。
この二つの大前提がなくなった今、どの業界・産業でも勝ち組、負け組の二極化が進行しているように、土地や不動産にも、長期的に安定収入が可能な「勝ち組」もあれば、逆の「負け組」も存在します。東京23区でも空室率が上昇しているように、供給過剰傾向を背景に、同じ東京でも、エリアや物件によって、さらに細かく選別が進むことも間違いないでしょう。