常にNoble社を押してきた前大統領ですが、2015年1月の大統領選挙によって政権交代が起こり、これまでの石炭供給のあり方と「決別」するべく、燃料動力省長官は行動を取りました。今回は、その内容をご紹介します。スリランカでの石炭を巡る疑惑と争いをお伝えしている連載の第8回です。

悪しき習慣を「絶つ」姿勢を見せる新政権

2015年1月に政権交代が起きてから、ランカ石炭会社とセイロン電力庁は向こう3年にわたる石炭675万トン分(価格にして500億ルピー)の入札を告知した。「今回はきちんと進めたいのです。どんな過ちも犯したくありません」とBatagoda燃料動力省長官は言う。

 

Batagoda長官は新たな入札を行って、審査委員会と入札監理委員会が推薦する、最低価格を提示した入札者と契約し、現供給者との契約を更新し続ける慣習に終止符を打ちたかったと考えた。

評価基準は「大きさ」なのか「重さ」なのか?

ランカ石炭会社とセイロン電力庁は、前年の入札に参加した6社に声を掛けた。また、入札監理委員会は最低入札価格を明らかにするだけでなく、ボイラー効率が最も良い最高品質の石炭を供給するとした入札者とも値段交渉をするとした。そのために、入札監理委員会はボイラー効率の見定めに必要な要素について、セイロン電力庁から専門的な助言を受け、その結果、発熱量・含水量・揮発性物質・灰分・硫黄含量を指標とすることにしたのだ。

 

7社が競い合い入札が進められたが、2015年6月、入札監理委員会は落札者としてNoble Resources社を推薦した。この時点で、Ravi Wijeratne氏は現地代理人を退いていたので、Noble Resources社は直接入札に参加していた。

 

しかしながら、その入札に参加していたSwiss Singapore社は、入札監理委員会宛にその入札の再審査を要求した。入札規約には委員会と直接やり取りすることを禁じる項目があったにもかかわらず、同社はその行動に出たのだ。Swiss Singapore社はその中で、入札募集要綱では「サイズ」が評価項目とされたが、実際に要求されていたのは「重さ」だったことについて不服を訴えた。


次回は、政権交代後も政府内でくすぶり続けた対立についてお伝えします。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年10月に掲載した記事「Sri Lanka’s Coal War」を、翻訳・編集したものです。

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