石炭の「サイズ」は発電効率とは無関係
供給される予定の石炭に対する評価項目のサイズは「大きさ」なのか「重さ」なのかが問題となった入札。納入する石炭の粒子サイズに関するペナルティには、もともと不満を示していた入札者が何社かあった。入札管理委員会はセイロン電力庁に、世界の電力会社ではどのような要素を判断軸にしているのか調査するよう要求した結果、粒子サイズを考慮するのはスリランカとインドにある会社1社のみだと判明した。
入札監理委員会は粒子サイズを評価対象から外す決定を下した。粒子サイズに対し現実的ではないペナルティを課すことは、入札者が粒子サイズの数値を改ざんし、コストがかかる提案を安く見せる可能性もあった。そもそも粒子サイズはボイラー効率に影響を及ぼすこともなければ、入札募集要綱には粒子サイズを計測する際の基準が明確にされていないのだ。
裁定委員会の燃料動力省長官に対する反発
入札監理委員会はランカ石炭会社に対し、サイズに関する評価項目の放棄と入札の再評価を、審査委員会に要求するよう命じた。その結果、2015年7月にSwiss Singapore社が落札者として選出された。これを受けて、その他の入札者は裁定委員会に不服を訴え、裁定委員会は8月の第一週までに調査報告書を公表する予定であった。
しかし、裁定委員会のメンバーはBatagoda長官のメディアでの一連の発言に反発して、ミーティングに出席することを拒否した。そのため落札者を最終決定するには、大統領による新たな裁定委員会の任命が必要となった。繰り返される決定の遅延によって、発電所の石炭不足は危機を増していったのである。
Batagoda長官は、裁定委員会に反対する主張をメディアで行なったことは一度もないと話す。新聞が報道しているここ数年間の入札における不正は、Batagoda長官が大統領補佐官に送った親展の文章に基づいており、公にされるべきではない内容がリークされたのだと告げた。また、Batagoda長官はSwiss Singapore社が直接、入札監理委員会に接触したことは何も問題ではないとした。
最終回は、新政権が進めた更なる入札制度改善への取り組みについてご説明します。