絵画、彫刻、陶芸…美術作品の楽しみ方・味わい方

前回は、日常生活を通じて「芸術をたしなむ力」を磨く方法を紹介しました。今回は、芸術のなかでも親しみやすい「美術作品」の楽しみ方や味わい方を見ていきましょう。

芸術のなかでも、身近で親しみやすいのが「美術作品」

芸術と一言でいっても、美術や音楽、オペラやバレエなどの舞台芸術、文芸などさまざまな種類があります。芸術に触れる機会を増やそうという人は、まず芸術のなかでも自分の好きなものから観たり聴いたりするのが一番です。
 

けれどもなかには、「好きと思えるほど芸術を知らないから選べない」「どれから手をつけてよいか分からない」という人もいるでしょう。そういう方にはまず、美術鑑賞をおすすめします。芸術のなかでも実は身近で、親しみやすいものの一つが「美術作品」だからです。

 

美術作品とは、主に絵画と立体表現(彫刻や陶芸など)のことです。美術館やギャラリーのほか、百貨店やレストラン、旅館やホテルなど、さまざまな場所に飾ってあるのを目にすることも多いでしょう。

 

音楽や舞台芸術などと違って形のあるものですから、自分が好きなだけ眺めて楽しめたり、購入すれば手元に置いておけたりするのが美術作品の魅力でしょう。さらに、絵画と立体表現にもそれぞれ違ったよさがあります。

気軽に飾りやすい絵画、存在感を楽しめる彫刻・陶芸

絵は誰もが小さい頃から何度となく描いてきたものですし、目にする機会も多いので、誰にとっても馴染み深い芸術作品です。一つの画面に、背景も含めた一つの情景がさまざまな色やタッチで描かれていて、そこにある物語やメッセージを感じ取りやすいと思います。

 

家に飾りやすく、気分や季節などによって手軽に掛け替えることもできます。本画以外にも、本画をもとに作られた版画やプリントなどもあり手に入れやすいので、家に絵画を飾る人が増えてほしいものです。

 

一方、彫刻や陶芸などの立体表現の一番の特長はというと、360度さまざまな角度から鑑賞できるところでしょう。これは絵画との決定的な違いの一つです。正面から観た印象と、後ろから、あるいは斜めから観た印象はまったく違います。体を動かして、いろいろな作品の表情を楽しんでください。

 

また、平面の絵画と違って、「そこにある」という存在感があるので、1対1で対面すると、その迫力や緊張感がダイレクトに味わえます。材質によっても異なる雰囲気が味わえ、ブロンズの作品ならその重さからくる重厚感もあるでしょうし、木彫なら温かみなどが感じられるでしょう。

 

立体作品は、そこにありありと感じられる存在感、質感によって、空間の印象をガラッと変えることができるのです。

 

そのため、手元に置く場合、立体表現は存在感が大きすぎて飾るところに困るという面もあります。また、一点ものの場合が多く「価格が高い」という印象がありました。

 

ただ最近では、身近な生き物や縁起物をテーマにした作品が多くなったこともあり、立体作品を購入してくださるアート・コレクターが増え、若手作家も活躍し始めています。

 

このような立体作品の市場を牽引してくださっているのが、彫刻家の籔内佐斗司(やぶうち さとし)先生です。籔内先生というと、平城遷都1300年記念事業のマスコット「せんとくん」の作者として有名ですが、どこかユーモラスで愛らしいその作品にはファンも多くいらっしゃいます。

 

籔内先生の、観ているだけで幸せになれるような、手元に置きたくなる立体作品が多くの人を魅了し、彫刻の分野にコレクターの層を広げたといっても過言ではありません。

 

とはいえ、絵画も立体表現も楽しみ方は人それぞれで、個人の自由です。素直な心で観れば、単純に「好きだな」「ずっと観ていたい」と思える作品が見つかりますし、そこからさらに新しい作品との出会いにもつながると思います。食わず嫌いをしないで、いろいろな作品を鑑賞してみてください。

靖山画廊 代表 

共立女子短期大学卒。出版社や企画会社を経て、1996年に株式会社アートジャパンを設立。東京は銀座に「靖山(せいざん)画廊」を構える。その審美眼により数々の新進気鋭作家を発掘し、多数の展覧会を手掛ける。トレンドを抑えた催事を企画したり、銀座の画廊を気軽に楽しめる「画廊の夜会」「クリスマスアートフェスタ」などを主催する銀座ギャラリーズの理事を務めたりと、一般に敷居の高いイメージがある芸術の魅力を日本中に広めるべく奔走中。

著者紹介

連載グローバル時代のビジネスに役立つ!教養としての「芸術」入門

 

教養としての「芸術」入門

教養としての「芸術」入門

山田 聖子

幻冬舎メディアコンサルティング

多数メディアで活躍中の「ギャラリスト」が解説! 初心者でも楽しみながら学べるはじめての「芸術」ガイド。 【目次】 第1章 日本人は「芸術」への関心が不足している 第2章 「芸術」は世界共通の“コミュニケーションツ…

 

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