小売業界で世界トップ規模を誇る売上高
【小売り大手】
米国を中心に「ウォルマート」をチェーン展開する。売上高は小売業界で世界トップ規模を誇る。大型(倉庫型)ディスカウントストアの形態で知られ、創業当初から低価格戦略「エブリデー・ロープライス」を掲げている。小売拠点の総数は、1万1718カ所に上る(2018年1月末時点)。会員制量販店の「サムズ・クラブ」は米国とプエルトリコで店舗を展開。「ウォルマート」と同様、ブランド名に創業者の名前を用いている。
16年には中国Eコマース大手京東集団(JD.com)と提携し、傘下のEコマースサイト「一号店」を譲渡したほか、新興Eコマース企業のジェット・ドット・コム(Jet.com)を買収した。18年5月、ネット通販インド最大手フリップカートの買収を発表している。
売上高は前年同期より上向くも、純利益は減少
【足元動向】
第1四半期(2~4月)決算は売上高が前年同期比4.37%増の1226億9000万ドルに上向く一方、純利益が同29.77%減の21億3400万ドルに落ち込んだ。特殊要因を考慮した調整後の希薄化後EPS(非GAAP)は1.14ドル。売上高、同EPSともに市場予想(それぞれ1203億9400万ドル、1.12ドル)を上回る。
事業部門の売上高は、主力のウォルマートUSが3.06%増の777億4800万ドル、ウォルマート・インターナショナルが11.67%増の302億6000万ドルに拡大。会員制ホールセール・ストアのサムズ・クラブは2.65%減の136億2200万ドルに下向いている。米国の既存店売上高(燃料除く)は2.3%増加。内訳は、ウォルマートUSが2.1%増、サムズ・クラブが3.8%増(たばこの販売取り止めが1.4ポイント押し下げ)と堅調だった(来店客数は0.8%、5.6%ずつの増加)。ウォルマートUSのeコマース販売は33%伸長している。